自動運転の実証実験で雨天代役を頼まれていたアイサンテクノロジー

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アイサンテクノロジーが愛知県内で自動運転「レベル3」の実証実験を行ってきたエスティマ
  • アイサンテクノロジーが愛知県内で自動運転「レベル3」の実証実験を行ってきたエスティマ
  • 道の駅を中核とした自動運転サービスの実証実験の最初の場所として選ばれた栃木県栃木市にある道の駅「にしかた」
  • 自動運転サービスの実証実験開始のテープカットには石井啓一国交相をはじめ、多数の政府関係者が参加した
  • アイサンテクノロジーの実験車両のルーフに搭載されていたレーザーライダー
  • レーザーライダーで取得したデータは周囲360度の情報をリアルタイムで反映される
  • 3D高精度地図のサンプル。ここにはかつてない精度のデータが反映され、このデータを元に自動運転車は走行する
  • アイサンテクノロジーが全国の3D地図を収集するために活用した計測車両(2013年G空間EXPOの同社出展ブースより)
  • 高精度地図はドローンを活用して制作されることも増えてきたという(2015年G空間EXPOの同社出展ブースより)
3次元の高精度地図の事業化に取り組むなど、自動運転実現には欠かせない存在なのがアイサンテクノロジーだ。同社は国土交通省が進める「道の駅」を拠点とした自動運転サービスの実験に参画しており、道の駅「にしかた」の実証実験では雨天時のピンチヒッターの予定だったという。

アイサンテクノロジーは、もともと土木測量の機器やソフトを手掛けることを主とする会社としてスタートしたが、ここで培ったノウハウをベースに2010年代に入って自動運転向けの3次元地図開発に参入。カメラやセンサーなどを積んだ専用車両を全国で走らせてデータを蓄積し、地図として加工することで3D地図を完成させてきた。

これまでのカーナビ用地図は位置精度がおおよそ「メートル単位」。しかし、自動運転に使う高精度の地図はセンチメートル単位の位置精度が必要で、道路情報は車線単位で管理し、周辺にある地物の位置情報もこれまで以上に高精度化することが欠かせない。ここに同社が培ってきた経験が活きてくるというわけだ。既に産業革新機構、三菱電機、ゼンリンなどと共に「ダイナミックマップ基盤企画」に参画するなど、同社の存在感は高まっている。

この日、出展した実験車両は、愛知県内で公道上で自動運転の実証実験を行っているトヨタ『エスティマ』。ルーフ上には周囲を360度に渡ってセンシングできるレーザーライダーを搭載し、ここで得た情報を元に自動運転走行する。自動運転の到達度で言えば「レベル3」に属する。加速や操舵、制動のすべてをシステムが行い、システムが要請したときにドライバーが対応するというものだ。

この車両は愛知県内で既に総延長約41km、総実走距離約2800kmを走破。実績に同社は自信を見せており、2017年度中には愛知県内で遠隔型自動運転システムの実証実験を全国に先駆けて予定しているほどだ。

出展当日の2日は、台風15号が日本列島の東を北上中。その影響を受けて雨が降るのではないかと心配された。特にDeNAが用意した実験車両は雨天時の走行ができないとされており、仮にデモ走行ができないとなれば出鼻をくじかれる。そこで国土交通省はアイサンテクノロジーに雨天時の代役を要請していたのだ。

アイサンテクノロジーの技術者は急遽、実証実験のルートを走行して周辺の高精度地図を作成。同社によれば20分ほどの作業で作成は終了できたという。これで雨が降れば出番があると担当者は期待していたそうだが、残念ながら(?)この日は雨は上がり晴れ間も出るほどで、アイサンテクノロジーの出番はなくなってしまった。

同社は今後、10月上旬に島根県内の道の駅「赤来高原」での実証実験にこの車両を持ち込む予定。実験では一般から参加者を募り、ミニバスとして運用する。
《会田肇》

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