まずは「DIREZZA Z II」に乗ってコースを周回。そのままピットインして「DIREZZA Z III」に交換して乗るという方式で試乗が行われた。つまり、クルマ側はまったく同条件での試乗で、違いはブレーキの減り程度ということになる。
「DIREZZA Z II」では1周程度走らないといい感じにグリップしなかったが、「DIREZZA Z III」では1コーナーを曲がった程度でしっかりと熱が入りグリップ感が上がる。“タイムを出せるタイヤ”として売り出す「DIREZZA Z III」らしい特性で、なかなか好感が持てる。
じつは今回の試乗ではちょっとしたミスを犯してしまった。それはVSCをオフにせずに「DIREZZA Z II」で走り出してしまったこと。一旦停止しないとこの解除はできないが、時間的に一旦停止は難しい。今回はVSCオンのままで試乗することにした。どこでVSCの制御が始まるかを頭に入れながら試乗していき、それを「DIREZZA Z III」と比較すると、VSC介入ポイントが「DIREZZA Z III」のほうが明かにコーナーの奥となっていることが確認できた。つまり、限界性能が向上していることにほかならない。
サーキットでの試乗のため耐久性についてはチェックできていないが、従来モデルである「DIREZZA Z II」はタイヤが減っても性能を高いレベルで維持するタイヤとしてコストパフォーマンスの高さが評価されている。新型の「DIREZZA Z III」もほぼ同じ価格で販売され、耐久性も引き継いでいるとのことなので、従来モデルユーザーはもとより、“減っても使えるタイヤ”を求めている方にもぴったりのモデルとなることだろう。