1987年に登場した初代はDOHCターボ+フルタイム4WDと、軽としては異例なハイスペックを誇った。転じて復活を果たした新型は、当然、最新技術をベースとするも(4WD車も設定される)、売りは“5速MT”と、シンプルでスノッブ。そこが、このクルマの“キャラ”なのだろう。実車の外観は「ターボRS」などと差異が小さい。この点だけは「やや遠慮気味?」と思える。たとえば“チンク”に対する“アバルト”のように、小さなクルマは外観でも性能をアピールすることで、路上でより走りやすく(平たく言うと道を譲ってもらいやすく)なる一面がある。コストの壁を打破してでも“別顔”なのもワークスらしいと思う。一方で中身は、エンジニアの熱意が詰まっている。専用開発5速MTは1~4速のクロスレシオ化始め、ダブルコーンシンクロの採用、シフトフィールにもこだわった。2ペダルのAGSも変速制御が専用化されているという。もちろんエンジン、足回りも、ひと手間が加えられた。タイヤはリム幅がターボRS+0.5Jの5J(15インチ)だ。タイヤは指定空気圧が240kPaに設定された165/55R15 75VのBSポテンザRE050A。本格志向の選択だ。走りはかなりのスポーツカーぶり。ターボRSがコンフォートとさえ感じられるのに較べ、いわれなくてもスポーティさが伝わる。足回りはハードな走行にも耐えるもので、軽量ボディ(試乗車は670kg)により、切れば曲がる小気味よい身のこなし。エンジンは7000rpmまで一気呵成の吹け上がりをみせ、コツンコツンとシフト操作をしながら、性能をフルに引きだして走れる気持ちよさだ。パワフルすぎ、もう1速ほしいとさえ思った。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
小さな車体に大きな感動! スペーシアカスタム×carrozzeria Xの勝利方程式[Pro Shop インストール・レビュー]by AUDIO.VISUAL.SECURITY FIST 後編 2025年9月13日