1962年に開場し、50年以上の歴史を持つ鈴鹿サーキット。特にF1日本GPでは過去に11度もチャンピオン決定の瞬間を迎えるなど、数々のライバル対決の舞台となってきた。その中から、今回は開催初年度となった1987年F1日本GPを取り上げていく。
ネルソン・ピケvsナイジェル・マンセル
鈴鹿では初開催となったF1世界選手権。いきなりネルソン・ピケとナイジェル・マンセルによる熾烈なチャンピオン争いに注目が集まった。シーズンを通して安定した成績でポイントを積み重ねてきたピケ。自身3度目のチャンピオンも目前かと思われたが、終盤戦にきてマンセルも負けじと連勝。逆転チャンピオンへの可能性を残して鈴鹿にやってきた。
ところが思いもよらぬ形で、このライバル対決は決着を迎える。金曜日のセッション中、S字コーナーでバランスを乱しタイヤバリアに激突。マシンが宙を舞い地面に叩きつけられるように着地した。これで背中を強打してしまったマンセルは止むなくレースを欠場。決勝レースを迎える前にピケの87年ワールドチャンピオンが決まった。
ポルシェvsホンダvsフェラーリ
また、1980年代はターボエンジン同士の対決も白熱。この年はポルシェ、ホンダ、フェラーリが激しいトップ争いを繰り広げた。ホンダのお膝元であり母国日本でのレースということでホンダ勢(ウイリアムズチームとロータスチーム)への期待も高まったが、ポールポジションを奪ったのはゲルハルト・ベルガー(フェラーリ)。決勝もトップの1コーナーを通過するとそのまま快走。アクシデントやトラブルに見舞われるライバルをよそに終始力強い走りを見せトップチェッカー。名門フェラーリに2年ぶりの勝利をもたらし、強豪のポルシェ、ホンダ勢を打ち負かしたレースだった。
鈴鹿サーキットでは3月12・13日、「2016 モータースポーツファン感謝デー」が開催。今回のテーマは「対決」。様々なゲストや車両が登場し、バトルを繰り広げる。