気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2016年2月16日付
●日銀きょうマイナス金利、超低金利家計に波及(読売・1面)
●景気の足踏み続く、10~12月期、GDP年1.4%減(読売・1面)
●国内生産計画困難か、今年度トヨタが16工場再開(読売・8面)
●本社世論調査、景気「期待できず」61%日銀のマイナス金利政策(朝日・1面)
●成田空港などで体温測定、ジカ熱、水際対策を強化(東京・7面)
●車世界販売、上位3社拮抗、昨年、韓国・現代自、10年で躍進(日経・17面)
●タイヤ生産、北米3割増、東洋ゴム、大型車人気対応(日経・17面)
ひとくちコメント
世界の大手自動車メーカーが2015年(暦年)に販売した新車台数のベスト10のランキングが明らかになった。きょうの日経が取り上げている。
それによると、1位はダイハツ工業と日野自動車を含むトヨタ自動車グループの1015万台、2位は独フォルクスワーゲン(VW)の993万台、そして3位が米ゼネラル・モーターズ(GM)の984万台となっている。1位のトヨタと2位のVWとは22万台、3位のGMともその差はわずか31万台と、上位3社が激しいシェア争いを展開していたことがうかがえる。
もっとも、VWは排ガス不正問題が明るみになった昨年の後半以降は失速しており、その問題が発覚しなければトヨタを追い抜いた可能性もある。
日経のランキング表では10年前(2005年)の各社の順位と比較しているのが興味深い。当時の1位はGMで2位がトヨタ、3位が米フォード・モーターだった。その10年後になると、フォードが6位に後退した半面、VWが5位から2位に大躍進。韓国の現代自動車グループも販売台数を倍増させて7位から5位に躍り出た。
さらに、日本勢では仏ルノー・日産自動車連合は10年前と比べて台数は240万台増と大幅に伸びたつつも4位と変わらずだが、世界販売の拡大にこだわる経営に取り組んできたホンダは127万台伸ばして9位から7位と順位を上げた。10位のスズキ
の順位は不動だった。
気になるのは販売台数よりも営業利益率だが、この記事では触れられていない。2014年度を例にみても、VWが6.3%、GMは4.2%に対し、トヨタは10%台を超えており、断トツの高収益をほこっているようだ。