新幹線の大規模改修へ、国交省がJR東日本と西日本に引当金積立計画を要請

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国土交通省は、JR東日本、JR西日本に対して新幹線の大規模改修引当金積立計画の作成を求めると発表した。

国交省では、東北新幹線、上越新幹線、山陽新幹線の土木構造物の状況やJR東日本、JR西日本の財務状況を審査してきた。この結果、将来にわたる東北・上越新幹線、山陽新幹線の安定輸送確保のため、大規模改修が必要となることが認められた。

東北新幹線・東京=盛岡間、上越新幹線・大宮=新潟間の大規模改修に要する費用は、総額約1兆円程度、山陽新幹線・新大阪=博多間の大規模改修に要する費用は、総額約1500億円程度に上ると見込む。

一方で、JR東日本の2005年度から2014年度までの10年間の平均営業収益は約1兆9100億円、平均経常利益が約2400億円であるところ、長期債務が2015年度首で約3兆4000億円に上る。

また、JR西日本の2005年度から2014年度までの10年間の平均営業収益は約8600億円、平均経常利益が約700億円で、長期債務は2015年度首で約1兆円に上り、両社ともに、営業収益、経常利益に対する長期債務の割合が依然として大きい。

将来にわたって東北・上越新幹線、山陽新幹線の安定的な輸送を確保するため、一定額を予め引当金として積み立てさせることが必要かつ適当であると判断。全国新幹線鉄道整備法第15条第1項に基づいてJR東日本、JR西日本を同法第16条第1項に規定する所有営業主体として指定した。

指定によって両社は、新幹線鉄道大規模改修引当金積立計画を作成し国土交通大臣の承認を受けなければならない。これにより工事費、工事期間、積立額、積立期間が確定する。

《レスポンス編集部》

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