4台目となる『プリウス』の試乗会が富士スピードウエイの外周路で行われた。まだナンバーが付かないプロトタイプの先行試乗だ。新しいプリウスの最大の特徴はリヤサスペションにダブルウィッシュボーンを採用したことにあると私は考えている。今度のプリウスは単なる燃費のいいハイブリッド4ドアモデルではなく、走りも楽しめるクルマを目指した…とトヨタは宣言しているのだ。かつて、日本の国民車として君臨した『カローラ』に「レビン」があったように、新しいプリウスはその領域へと足を踏み込もうとしているのかもしれない。実際に走らせてみると、たしかに走りは抜群に気持ちがいい。コーナーへ向かってステアリングを切り込んでいくと、クルマのノーズがスッと前に入り込み、そこからしっかり粘った様子でコーナーをクリアしていく。リヤサスペションの動きがよくストロークしてグリップを稼ぐタイプ。つまり、荒れた路面でも追従性がいいタイプの味付けだ。当然、乗り心地もいい。試乗コース内には路面を異物を置いて、段差越えを体感できるようなコースを設定してあり、それを新旧プリウスで乗り比べるようになっていた。新型は乗り越え時の当たりがいいだけでなく、乗り越えたあとのボディのブルブル感もよく抑えられているのが乗っていて気持ちよかった。パワーユニットは大きく進化しているが、その多くは燃費方向に目立った性能を出している雰囲気。だが、アクセルを踏み込んでいった際の加速感が、アクセルの踏み込み量とシンクロしてグングンと力強く前に進んでいく。このあたりの味付けはじつに上手だ。普段使いの燃費のいい4ドアのクルマが、ちょっと「走ってみよう」という気持ちになったら、ポテンシャルを発揮してくれる。そんな、あったらいいな…が実現しているのが今回のプリウスだ。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★諸星陽一|モータージャーナリスト自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。
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