まずはこの『C 450 AMG 4マチック』の位置づけについて理解しておく必要があるが、同モデルは通常の『Cクラス』とは差別化された、「メルセデスAMG」による新しいコンセプト「AMGスポーツモデル」のCクラス版であり、その第2弾となる。「AMG C 63」は4リットルV8ツインターボエンジン+7速AMTを搭載するのに対し、こちらは3リットルV6ツインターボエンジン+7速トルコンATとなる。さらには4MATICのみの設定であり、左ハンドルのみが用意される点も特徴。スタイリングは共通テイストながら、全長やフロントトレッドが異なる。ドライブしての第一印象は、高性能モデルとして巧いバランスにまとめられている、ということ。AMG C 63の圧倒的なパフォーマンスはもちろん魅力だが、日常的に使うとなると乗り心地が硬いし、いささか元気がよすぎる。その点、同モデルの足まわりも締まっているがまったく不快ではないし、それでいてAMG C 63と同様にクイックなハンドリングを堪能できる。また、乾いた舗装路で乗っている限り、4輪駆動であることはほぼ感じられないが、むしろそれは開発サイドからすると狙いどおりであろう。動力性能も十分すぎるほどで、4気筒とはまったく異質の重厚でスポーティなサウンドを楽しむこともできるのも、「AMG」と名のつくモデルとしての期待に応えている。通常のCクラスでは満足できない人や、少々高価でも大きな満足感を与えてくれるスポーツセダンを探している人に、ぜひ目を向けて欲しい1台だ。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★<プロフィール>岡本幸一郎|モータージャーナリスト1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして独立。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級サルーンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに鋭意執筆中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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