なんと今年の鈴鹿8耐で優勝したマシンを、サーキットで試乗させてもらった!SST(スーパーストック)クラスで優勝したゼッケン14「team R1 & YAMALUBE」のYZF-R1。時永 真、藤原儀彦、ジェフリー・デ・フリースの3選手で194周をマークし、総合でも21位と大健闘したモンスターマシンだ。走ったのはスポーツランドSUGOの国際レーシングコース。サーキット経験も乏しく、ましてやロードレースの経験など一切ない自分が乗れるのか…!? とにかくビビる。世界トップレベル、正真正銘の耐久レーサー、しかもあの8耐で優勝したばかりのマシンとあって、転倒など決してしてはならない。プレッシャーが重くのしかかる。なんせ何もかもが未知なる世界だった。レース専用のスリックタイヤ、逆シフトチェンジ…、それはもうサンデードライバーが、F1マシンでサーキットを走るようなものだ。いや、少なくともF1マシンにはタイヤが4つあるから転倒の恐れはない。こちらは2輪しかないバイクなのだから、もっと無謀なのかもしれない。「もうどうにでもなれ!」とコースインすると、案の定アクセルをまったく開けられず、ペースはまるで上がらない。しかし、神経質で乗りづらいロードレーサーを想像していたが、意外と乗りやすく、ツーリングペースでサーキットを周回しても気持ちよく走れる。心配していた逆シフトも、何とかミスせず操作できた。さすがに加速は強烈。恐ろしくてストレートでも全開走行を続けられない。コーナーでも突っ込みきれず、ずいぶん手前でブレーキをかけてしまう始末だが、そのブレーキのコントロール性がなんと素晴らしいことか。バイクはスッと寝ていき、ハンドリングがじつに軽い。いやはや宝の持ち腐れとはこのこと。今回はヤマハのご厚意で、8耐SSTクラス優勝マシン試乗という願ってもない機会を得たが、残念ながら「team R1 & YAMALUBE」のR1の凄さを分析するほどの腕前がなく、語ることなどできない。ただ言えることは、市販車と同じように、いやそれ以上にコントロール性が良く、8時間という長丁場のレースに求められるのは絶対的な速さはもちろん、扱いやすさも必要なんだろうなってこと。ライダーの時永 真 選手は言う。「SSTクラスのマシンはほとんど改造が許されず、きわめて市販車に近い。タイヤやタンク、ブレーキを耐久仕様にする程度で、ほぼ市販車のままです」つまり、YZF-R1のそもそものポテンシャルが高いということだ。■5つ星評価パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★コンフォート:★★★扱いやすさ:★★★★★スタイル:★★★★★青木タカオ|モーターサイクルジャーナリストバイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。
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