ジャガー・ランドローバー・ジャパンは、9月25日、8年ぶりにフルチェンジしたDセグメントの新型スポーツセダン、ジャガー『XF』の受注を開始。それに合わせたイベントを都内で開催。ジャガーのアンバサダーとしてプロテニスプレーヤー錦織圭選手も登場し、会場を盛り上げた。
「XF」のDセグメントのボディは、全長4965×全幅1880×全高1455mmという堂々としたプロポーションを持ち、発表会場での存在感は抜群。発表前のシートを被っていた状態でも視線を集めるのに十分だった。
冒頭、スクリーンを通して今年3月にロンドンで綱渡りするXFや、XFを操る錦織選手の様子を動画で紹介。これが終わると、ステージ右手より錦織圭選手が、左手よりジャガー・ランドローバー・ジャパン代表取締役社長マグナス・ハンソン氏が登場。二人が握手するシーンからイベントはスタートした。
しばし二人がフラッシュを浴びた後、ハンソン氏が挨拶。XFは2007年にデビュー以降、全世界で28万台を販売したジャガーとして最量販車種で、各分野で145の受賞も果たした優れたクルマであることを紹介。その上で新型XFがロンドンで、実際に綱渡りするというアクロバティックな芸当で鮮烈なデビューを飾ったとの報告を改めて行った。
一方、ハンソン氏は、ジャガーブランドとして初のクロスオーバー車『F-PACE』を、日本国内で2016年早い段階で販売することも明らかにした。「F-PACE」の追加により、XF、『XE』『XJ』『F-TYPE』と合わせジャガーブランドは5車種を展開することになり、もう一度よりアイコン的な存在を醸し出す。市場で大きな力を発揮し、ジャガーは日本を含む全世界でもっとも急成長するプレミアムブランドとなっていくとの印象を語った。
この後、同社マーケティング・PRディレクター若林敬市氏が新型XFの詳しい紹介を行った。それによると、新型XFは先代に比べて全長で10mm短く、全高で5mm低い。それでいてホイールベースを50mm延長してセダンとしての居住性を向上させている。
インテリアはスタイリッシュかつラグジュアリーさを備え、ダッシュボード内には「InControl Touch Pro」と呼ばれるインフォテイメント システムを備えた。スマートフォン的な使い方が行え、10.2型の大画面で左右を分割しても窮屈さを感じさせない。さらにメーター内には「12.3型TFTインストルメント・クラスター」を搭載し、ナビ機能を少ない視線移動で見ることができる。
リアシートはレッグルームで+15mm、ニールームで+24mm、ヘッドルームで+27mmほど広げ、クラス最大レベルのゆったりした快適性を提供。見逃せないのは軽量化のためにモノコック車体構造のうち約75%をアルミニウム合金としたこと。その結果、車両重量は前モデルよりも190kg軽減すると同時に、ねじれ剛性は逆に28%も高められたという。
新型のラインアップはガソリン車5モデルとディーゼル車2モデルの計7モデル。ガソリン車は、直列4気筒直噴2.0リットルターボエンジンと、V型6気筒直噴3.0リットルスーパーチャージャー付エンジンの2タイプ。
なかでも若林氏が「私達が渾身の力を込めて開発した」という直列4気筒2.0リットルターボエンジン「INGENIUM(インジニウム)」は、ジャガー・ランドローバー設計から生産まで手掛けたもの。最高出力は180PS(132kW)/4000rpmの最大出力と、最大トルクは430Nm/1750~2500rpmを発揮。今後ジャガーの中心的エンジンになっていくと語った。いずれもZF社製8速ATを組み合わせる。
先進のドライバー支援システムは、「オール・サーフェス・プログレス・コントロール(ASPC)」がその中心となる。低速域でのクルーズコントロールで、4輪を独立して駆動力と制動力を制御する画期的技術。FR車でもあるXFが氷のような滑りやすい路面でも安定した走行を約束する。これはレンジローバーから転用した技術でもある。その他、ACCは渋滞にも追従するキューアシスト付きで電動パワーステアリングも搭載した。
JCO8モード燃費はガソリン車のみが発表され、2.0リットルガソリンエンジン車で11.4km/リットル、3.0リットルエンジン車が10.6km/リットルとなっている。価格はガソリン車が598万円~1105万円、ディーゼル車が635万~693万円。ユーザーへの納車は2016年初頭を予定している。