世界最速を競うMotoGPのマシンをそのまま市販車に変貌させたホンダ『RC213V-S』のワールドプレスレビューが18日、スペイン・バレンシアサーキットで開催された。
世界の限られたバイクジャーナリストが集い、日本からは元GPライダーの宮城光氏が参加した。試乗を前に彼はこう話した。
「僕らは長く世界中のオートバイに乗ってきた。世界には1台250万円ほどのスポーツバイクはたくさんある。しかし、このRC213V-Sは1台2200万円。例えば、その10倍いいものが体感できるのか。その真価は乗ってみるまでわからない」
宮城氏は、マルク・マルケス仕様のRC213Vにも乗ったことがある数少ないライダーの一人だ。RC213V-Sは、その名の通りRC213Vをベースにしたストリートモデルで、彼はその違いを体感できる世界でも数少ない一人だ。
「まさに未知の領域。ホンダが、どういう作りこみをしたのか。楽しみにしている」
帰国した宮城氏を待ち構えて、その第一声を聞いた。
「期待以上だった! ものすごく高いレベルでまとめられていた」
レースマシンと市販車は、その目的も要求される仕様も似て非なるものだ。ホンダは世界最高峰ともいうべき市販車を作るべく何をどう変えたのか。その詳細を語ってもらう前にRC213V-Sの勇姿を速報する。