トヨタの隠れたヒット作、『シエンタ』が垢抜けたデザインでデビューし、好評だ。
まったく新しいプラットフォームでホイールベースが延長され、キャビンも広くなり3列目シートの実用性も高くなった。3列目には、2列目を折り畳んで(簡単に)入り、座るとつま先も2列目シートの下に入るので、大人でも居住性は悪くない。
また低床フロアの為に乗降性は容易だ。2/3列シートはカラクリのように収納でき(これも簡単)大きな荷物室が生まれ、マイクロミニバンとしてだけでなく、いろいろな場面で使える多目的車の性格を持たせている。
ハイブリットは『アクア』に搭載されている1.5リットル。この他に事実上の新開発、1.5リットルアトキンソンサイクルの2NRも燃費に優れている。ハイブリットはアクアよりも300kgほど重いので、俊敏な加速力と言うわけにはいかないが、4名乗車程度なら必要十分だ。
ガソリンエンジンはさらにこれよりも軽いのでもっとフットワークはよい。ハンドリングは両モデルともセダンに比べるとボディが大きいのでロールは大きく感じられ、コンパクトモデルらしいキビキビ感がもう少し欲しいところだ。乗り心地は凹凸のショックはよく吸収されて2/3列目も含めてこのクラストップの快適性を持ち、遮音性はハイブリットに分がある。
なかなか楽しい一台。いろいろな使い方ができそうで、新しいハッチバックと見ても面白い。
■5つ星評価
パッケージ:★★★★★
インテリア:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
お勧め度:★★★★
日下部保雄|AJAJ会長/モータージャーナリスト
大学在学中からモータースポーツに参戦し、卒業後は専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起などの分野で、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、WEBにおいて活動。またその経験を活かした講演、研修などに携わる。ドラインビングインストラクターとして、安全運転のためのドライビングスクールを主宰するなどの実際面からの安全へのフィードバックも行っている。2006年よりAJAJ会長に就任。