【ジャガー Fタイプ S 試乗】真のエンスージアストのためのMT…山崎元裕

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ジャガー Fタイプ S 6MT
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ジャガー『Fタイプ』の2016年モデルには、もうひとつ気になるモデルがある。それは3リットルのV型6気筒スーパーチャージドエンジンを380psの最高出力で搭載するFタイプSに追加設定された6速MTモデル。

オーソドックスな3ペダルのスポーツカーをドライブすることは、誰もが一度は憧れるものだが、とはいえこのFタイプのような価格帯のモデルでは、簡単にそれを選択することなどできないというのが実情。それでもインポーターは、Sクーペの6速MT仕様を正規導入するというのだから、その決断にまずは感謝をしたい。

そう思わせてくれたのは、やはりMTとの組み合わせで味わった走りが、これまでにドライブしたどのFタイプよりも魅力的なものに感じられたからだ。ショートストロークのシフトレバーは、そのレイアウトこそやや不自然と感じることもあったが、剛性感を始めとしてシフトフィールそのものには不満はない。

感動的なのはパワートレーンの剛性感と、微妙なアクセルワークにも正確に反応するエンジンのレスポンス。レブリミット付近の高速域では、エンジンのスムーズさやパワーフィールは満点とはいえないが、自分自身の意思でギアを選択できる楽しみは、その不満さえをも走りの中で見事に解消してくれる。

コーナリングは当然のことながら、楽しいというシンプルな一語に尽きた。アクセル、ブレーキ、クラッチ、ステアリング、そしてシフト。そのすべての動きが完全にシンクロした時の喜びは、ワインディングを走り続ける中で、ピュアスポーツを完全に自分自身でコントロールしたのだという満足感へと変わる。

その喜びのために、あえてこの日本で、ジャガーというプレミアムブランドのMTモデルを選択できるカスタマーは、真の意味でのエンスージアストといえるのかもしれない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

山崎元裕|モーター・ジャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
1963年新潟市生まれ、青山学院大学理工学部機械工学科卒業。少年期にスーパーカーブームの洗礼を受け、大学で機械工学を学ぶことを決意。自動車雑誌編 集部を経て、モーター・ジャーナリストとして独立する。現在でも、最も熱くなれるのは、スーパーカー&プレミアムカーの世界。それらのニューモデルが誕生 するモーターショーという場所は、必ず自分自身で取材したいという徹底したポリシーを持つ。

《山崎 元裕》

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