【VW パサート ヴァリアント 試乗】賢い買い物をしたいなら…鈴木ケンイチ

試乗記 輸入車
VW パサート ヴァリアント TSI Highline
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348万9900円? え、そんなに安いの? 試乗車の中にあったプライスの記載された資料を思わず二度見してしまった。

このVW『パサート』は、欧州「カーオブザイヤー2015」にも選ばれた最新モデルで、日本におけるVWラインナップのフラッグシップでもある。そのヴァリアントが350万円以下。欧州車のライバルどころか、日本車のステーションワゴンとも競合できそうなほどのお値打ち感なのだ。

もちろん、エントリーグレードのFFモデル。エンジンは1.4リットルのダウンサイジング過給エンジン。しかし、だからといっても安すぎる!

端正な顔つきは少々地味ではあるけれど、プロポーションは伸びやかで、なかなかにスタイリッシュ。室内は十分に広くて、インテリアのしつらえは質感が高く上品だ。乗り心地も悪くないので、ロングドライブも快適。荷物もたっぷり乗せることができる。

しかも、衝突被害軽減自動ブレーキや先行車を追従するアダプティブクルーズコントロール、車線を維持するレーンアシストなどの先進運転支援システムも標準でそろっている。家族や仲間との旅行に、これほどぴったりのクルマもない。乗り込んだ全員が幸せな気分になるはずだ。

150馬力の1.4リットルのダウンサイジング過給エンジンと7速DSGの組み合わせは、必定十分といったところ。別に速いわけではないが、それこそ、だからどうした? 同乗者を驚かすようなパワーは必要ない。それよりも、しなやかで鷹揚な挙動が好ましい。人と荷物を載せて、安全に快適に移動する。しかも安い。賢い買い物をしたいという人は、注目すべき1台だろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★★

鈴木ケンイチ|モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

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