【スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド 発表】開発主査・高津益夫氏に聞く「スバルが考えるHVとは」

自動車 ニューモデル 新型車
スバル商品企画本部プロジェクトジェネラルマネージャー 高津益夫氏
  • スバル商品企画本部プロジェクトジェネラルマネージャー 高津益夫氏
  • スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド
  • スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド
  • スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド
  • スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド
  • スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド
  • スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド
  • スバル インプレッサ スポーツ ハイブリッド

スバル『XV』で初のハイブリッド車を上梓してから2年。今度は『インプレッサスポーツ』にハイブリッドを設定した。

ハイブリッドと聞いて多くのユーザーがイメージするのは省燃費車。しかし今、例えばBMWなどは高性能のためのアクティブハイブリッドなどを投入し、ハイブリッドが単なる省燃費のためだけの技術ではないことが鮮明になっている。今回のインプレッサスポーツも、そもそも「sport」を名乗るモデルにハイブリッドを設定したのだから、単に省燃費を追い求めたものでないことは明白だ。

そこで改めてスバル商品企画本部プロジェクトジェネラルマネージャー、高津益夫氏にスバルの考えるハイブリッドについて尋ねてみた。試乗会場に設けられた説明ボードには、「スポーティー&ファントゥドライブ」というこのハイブリッド車のキーワードが掲げられていた。では、今回のインプレッサスポーツハイブリッドはそうした立ち位置で開発がすすめられたのだろうか。この点について高津さんは次のように述べる。

「スポーティーとは単に速さを求めるのではなくて、乗り易さを追求したものに仕上げました。具体的な部分では、走りはじめにCVTの弱点でもあるアクセルの付きの悪さを、電気モーターがアシストすることでスムーズな立ち上がり感を実現しています。一方でファントゥドライブという部分は、ハンドルの遅れを極力小さくして運動性能を向上させ、専用の足回りチューニングを施し、さらにタイヤサイズをワンサイズ引き上げて215/50R17とすることで踏ん張りを出して、乗り易くて同時に運転して愉しいを実現しています」

仰る通りで、確かにステアリングの正確さやわざわざタイヤサイズを大きくしてまで手に入れた運動性能は優れモノだった。しかし、一方でハイブリッドにはやはり省燃費が求められる。今回の場合JC08モードで20.4km/リットルを達成し、XV時代の20km/リットルを僅かだが上回った。しかし、これはあくまでもシミュレーションモードであって、実走行に即したものではない。つまりは省燃費のためのハイブリッドではないということなのだろうか。この点について高津さんは、

「安心と楽しさというのがスバルブランドとしてのキーワードになっています。ですからそこをスポイルしてまで燃費に振るということはしていません。ハイブリッドというと、どうしても燃費重視でそれ以外の性能を割り切るという開発をしているところもあると思いますが、それをやるとスバルじゃなくなると思うのです。勿論、より燃費重視のクルマを作れないわけではありません。例えば転がり抵抗の小さなタイヤを使うなどすれば燃費は向上しますが、それはスバルのクルマ作りではありませんので」

というわけでスバルの今考えているハイブリッド車というのは、まず前提として運転して愉しくかつ乗り易い。その上で省燃費、ローエミッションがついて来るというクルマのようである。実際、発進は常に電気で行っていてモーターのアシストがあるからアクセルを急激に開けた時もCVTの悪癖である加速とエンジン音がリニアに上昇しないという欠点は克服している。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集