今年4月に行なわれた『eKスペース カスタム』のマイナーチェンジでは、ルーフとドアミラーを塗り分けた2トーンスタイルを追加したほか、グリルやガーニッシュをダーククロム色としたアーバンスタイルを新設定。そしてやっと言うべきか、ターボモデルにもアイドリングストップが完備された。標準のNAモデルはアイドリングストップのコースト領域を13km/h以下で作動するように拡大したが、こちらにそのコースト機能はない。eKスペースは標準車、カスタムともにNAエンジンの場合、高速道路や山道ではアンダーパワーに感じるシーンがないでもないが、現状、カスタムにのみ用意されるターボモデルならパワー、トルクともに余裕たっぷり。重量級ボディーをスイスイ引っ張り、高速走行や山道でも不足ない動力性能を発揮してくれる。そのため一家に一台の4人乗りファーストカー、ミニミニバンとしても活躍してくれること請け合いである。大径15インチタイヤを履く乗り心地はデビュー当初の印象では硬さが取りきれていなかったものの、このマイナーチェンジモデルでは文句なく快適。一段としっとり重厚なタッチを示してくれる。タイヤの影響かパワステの操舵フィールがよりすっきり感じられるのも本当だ。もちろん、操縦安定性も一枚上手。カーブやレーンチェンジでの安定性の高さは相変わらずで、少々飛ばしても重心を感じにくい安心感あるフットワークテイストが味わえるのだ。ちなみにeKスペースのドッグフレンドリー度は文句なし。スライド部分のステップ高は375mmとごく低く、段差がないため小型犬でも乗降は快適だ。さらにテールゲート側からの乗降も楽々。開口部地上高が600mmとステーションワゴン並みに低く、開口部に段差なく、5:5分割でスライドする後席を両側格納すれば幅960mm、奥行き1275mmものフラットスペースが出現。大型犬でもゆったりくつろぐことができる。5:5分割の後席を片側だけ格納すれば、乗員3人+大型犬でもドライブを楽しむことができるのだからうれしいではないか。また、eKスペースの特徴装備と言える天井のリヤサーキュレーターによって、後席や荷室部分にもエアコンの冷風が届きやすく、暑がりの犬(人)がどこに乗っても快適にドライブを楽しめるはずだ。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★★快適度:★★★★オススメ度:★★ペットフレンドリー度:★★★★★青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。
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