【日産 エクストレイル ハイブリッド 試乗】社会的意義はあるが、40万円強の差をどう考えるか…津々見友彦

試乗記 国産車

日産 エクストレイル ハイブリッド
  • 日産 エクストレイル ハイブリッド
  • 日産 エクストレイル ハイブリッド
  • 日産 エクストレイル ハイブリッド
  • 日産 エクストレイル ハイブリッド
  • 日産 エクストレイル ハイブリッド
  • 日産 エクストレイル ハイブリッド
  • 日産 エクストレイル ハイブリッド
  • 日産 エクストレイル ハイブリッド
時代の流れでCO2低減のため、SUVの『エクストレイル』もハイブリッド化された。

ガソリン車の4WD、20Xの燃費(JC08モード)16.0km/リットルに対してHEV(ハイブリッド)では20.0km/リットルと25%も向上。システムは日産独特の1モーター2クラッチ方式だ。システムの基本は『スカイライン』などの縦置きタイプをFF仕様の横置きにレイアウト。

ボディ外見はノーマルに対して大きな違いはなく、「ハイブリッド」のバッヂが加えられ、空力向上のためにリヤのアンダーフロアー後端に小さなスポイラーが追加された程度だ。

座り心地の良いシートに納まりスタータースイッチを押すが、既に暖機され、バッテリーも充分に電力があるためかメーターが起動するだけで、エンジンはスタートしない。まるでEV感覚だ。

セレクターレバーをDレンジにシフトするとATのように“クリープ現象”でスムーズにトロトロと走り出した。モーターでのEV走行のため、すこぶる静か。心地好い。

ソッとアクセルを踏みゆっくり加速させると50km/hでもEVのみで走行する。が、少し加速を強めるとブルンとエンジンがすぐに始動し助っ人する。

このエンジン始動もとてもスムーズ。ショックなく驚くほど滑らかだ。センスの良いメーター中央部にはエネルギーモニターがこれもデザインよく配置され、モーター、エンジンのエネルギーの動きが常時見られる。

全体にノイズはよく抑えられエンジンサウンドも静かだ。ただし、アクセルを踏み込み加速させるとエンジンはうなり出すものの心地好いサウンドなので快適だ。

エンジンはレギュラーガソリン仕様、直列4気筒DOHC2.0リットル、108kw(147ps)、207Nm(21.1kgm)とガソリン車と変わらずに、これに30kw(41ps)のモーターがアシストする。バッテリーはリチウムイオンだ。

動力性能は0-400m加速の雰囲気は18秒台ぐらい。ガソリン車より同グレードでは120kgほど重いためギリギリ不満のない加速を保つ。停止から40km/hぐらいまでは0.42Gの力強い加速をモーターとエンジンで押し出し、低速からのピックアップ感はなかなか良い。そしてアクセルをゆるめるとすぐに回生が始まるので、とてもお得感があるのがうれしい。

重さはハンディだが、逆に重心位置が低いため、コーナリングでは安定感があり、不安がない。パワステもナチュラルに設定されSUVらしいスムーズなハンドリングが楽しめた。

ブレーキは多少ストロークは大きいが、回生ブレーキから摩擦ブレーキへの移行もシームレスでナチュラルに仕上げられている。

フロアが40mm高くなっているが一見するとその差はあまりない。大きく荷室はスポイルされていなかった。

居住性の良いSUVに仕上げられていた。同グレード(20X エマージェンシーブレーキパッケージ 2列シート 4WD)のガソリン車に比較して約41.1万円高い、301.1万円(4WD)。社会的には意義あるクルマだが、個人の懐としてはこの差額をどう考えるかだ。スキーや年間1万km走る人でも元を取るのに約25年かかる(レギュラー130円/リットル計算)。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

津々見 友彦│モータージャーナリスト
第1回日本GPに出場し、その後日産、トヨタ、いすゞのワークスドライバーとして活躍。現在は自動車雑誌、ラジオ、Car Worldなどに試乗記を書く。サーキット走りとパソコン大好き。今は自転車に凝る。
《津々見友彦》

編集部おすすめのニュース

特集