【ランボルギーニ ウラカン 試乗】拍子抜けした乗り易さとハイパフォーマンスが同居…中村孝仁

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ランボルギーニ ウラカン
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初代ホンダ『NSX』がデビューした時 、そのあまりの乗り易さから、ちょっとスーパーカーとは言えないな、という声が多数聞かれた。もし、『ウラカン』がその当時デビューしていたら、果たしてこのクルマにもそうした声が聞かれたのであろうか。

スーパーカーとは乗りにくくて当たり前…というのが90年代は当たり前だった。それを乗りこなしてこそ、一流のドライバー? 的イメージがあったからだと思うが、あれから四半世紀経た今、スーパーカーであっても拍子抜けするほど乗り易いのは当たり前になったようである。

正直、俗にスーパーカーと呼ばれるクルマに乗るのは久しぶりだ。勿論ウラカンは初めてなので、ちゃんとコクピットドリルを受けた。恐らくそれが無ければだいぶ苦労したと思う。そうした複雑な面は備えているものの、決まり事さえ覚えてしまえば何のことはない。というわけでその面倒だった決まりごとについてまずは話をしよう。

エンジンをかけるにはキーフォブを持って乗り込み、センターコンソールに付く赤い蓋を開けて、その内側のスターターボタンを押すことで始動できる。トランスミッションはその後ろ側にある。リバースだけが少々ユニークな形状だが後は普通にプッシュボタンでギアを選択する。変速は言うまでもなくパドルだ。

アニマ・スイッチも要説明。ステアリング下に付くアニマと称するシステムは、いわゆるモード切替で、一般的なオンロードで使うストラーダ。エンジンサウンドまで変わり、スポーティーなドライビングが楽しめるスポーツ。それに安全デバイスをカットして本気モードとなるコルサの3つを選べる。このクルマ、ステアリングコラムに一切のレバーを持たない。通常はウィンカーやワイパーのコントロールレバーが付くのだが、それらはすべてステアリング上にある。ステアリングスポーク左に付くスイッチがウィンカー、左右をチョイスするスライドスイッチと、それをキャンセルするプッシュスイッチからなる。バイクに乗ったことのある人ならわかり易い。同じような形状で、ステアリングスポーク右に付くのがワイパースイッチ、晴れの日なら良かったが試乗はあいにくの雨で、この説明を聞いておいてよかった。

さて、いよいよスタートだ。Dレンジをセレクトし、いわゆるオートマチックモードでスタート。ここで『ガヤルド』との違いに気づかされる。ガヤルドについていた「eギア」と呼ばれたそれは、いわゆるシングルクラッチの電子制御マニュアル。しかし、ウラカンのそれは「ランボルギーニ・ドッピア・フリツィオーネ」と呼ばれる、デュアルクラッチの7速に変わっていた。だから、まるで普通のオートマチック。 コンフォートをセレクトしたアニマはその乗り心地すら、限りなく快適なセダンに近いと言ったら大袈裟すぎるかもしれないが、ストロークの短いサスペンションがしっかりと路面を捉えて離さないだけで、感覚的にはBMW MやメルセデスAMGのセダンとほとんど変わらない快適さである。フロントに流れる景色も、車高が低いことを除けば視界抜群で、車幅感覚も実に掴みやすい。ダメなのは後ろ。例によってスリットからわずかに見える後部視界はお世辞にも良いとはいえない。

トランスミッションをマニュアルモードにしてパドルを使ってみる。ストラーダでも十分に変速スピードが速いが、これをスポーツにするとさらに速くなり、加速の際のエンジンサウンドも俄然やる気モードに変わる。V10の感応的サウンドを楽しみたければ当然こちらがお勧めである。

残念ながらウラカンとの密会は僅か45分。というわけでスプーン一杯の味見程度でしかなかったが、スロットルをグイッと開いた時のその実力や大変なもの。一方で50km/h程度で流れる国道を走る際も、快適そのものの空間は一切のストレスを感じず、ただただ心地よいサウンドに支配されるだけであった。これなら日常の足としても十分機能すると思えた。

■5つ星評価
パッケージング ★★★
インテリア居住性 ★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★(スポーツカーとして)


中村孝仁|AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来37年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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