JR西日本は2月5日、来月14日に開業する北陸新幹線の金沢~長野間で報道関係者を対象とした試乗会を行った。開業と同時に運行を開始するJR西日本のW7系を使用し、約250人を乗せて金沢と長野を往復した。
W7系(W2編成)の試乗列車は、ホームに金箔2万枚を使ったという柱が並ぶ金沢駅を9時56分に発車。途中は新高岡・富山・黒部宇奈月温泉・糸魚川・上越妙高の各駅に停車し、実際の開業後のダイヤとは異なるものの「ほぼ『はくたか』に近い」(JR西日本関係者)形で運転され、約228kmを1時間34分で走破した。
金沢~長野間の最高速度は260km/h。試乗列車が金沢駅を出て数分すると、運転士から「最高速度の260km/hで運転しています」とのアナウンスが入った。今回開業する金沢~長野間228kmは約4割がトンネルで、駅付近も防音壁に視界が遮られるものの、駅と駅の間など途中の区間では北陸の美しい車窓風景が展開。黒部宇奈月温泉駅付近では右手の車窓に雪化粧の立山連峰が雄大な姿を見せ、糸魚川駅付近では僅かな区間だが左手の車窓に日本海が広がった。
糸魚川駅を過ぎると、風景は一面の銀世界に。今回の開業区間で最も長い飯山トンネル(2万2251m)を約6分半で走り抜けて飯山駅を通過すると、列車は僅か10分程度で長野駅11番ホームに11時30分に滑り込んだ。
列車が到着した長野駅の11番ホームでは、地元の観光関係者やゆるキャラなどが出迎え、新幹線開業で近くなる北陸方面のマスコミに信州の観光などをPR。「ミス志賀高原」の藤澤美記さんは「北陸からも(新幹線開業で)気軽に来られるようになるので、ぜひ遊びに来てほしい」と話していた。
3月14日に北陸新幹線金沢~長野間が開業すると、東京~金沢間は最速2時間28分で結ばれる。