新型スズキ『アルト』は、シンプルでクリーン、スタイリッシュを目指してデザインされている。
そこで、「一番こだわったのは、1本1本の線をきれいに引くことと、そこにどんな断面を通すかで、これは内外装共通だ」と話すのは、スズキ四輪デザイン部企画管理課チーフデザイナーの内山一史チーフデザイナー。
エクステリアでは、「サイドのフロントフェンダーからリアに向かっていくラインと、サイドシル上のライン。そして、その間にある面で表現している」という。この面はサイドウインドウ下の部分で一度削ぎ、キャラクターラインのあたりにボリュームを持たせている。その後もう一度削いで、下のキャラクターラインのあたりで、またボリュームを持たせるという、数字の“3”のような面構成だ。「ショルダーのあたりはシャープなイメージと、その下の豊かな面での対比にこだわった」と説明する。
また、サイドのショルダーラインがリア部分で上に跳ね上がる意図は、「ただの箱を作ってしまうとプロポーションとしても弱々しくなってしまう。そこで、リアドアからCピラーへの大きな丸みを帯びた面を作るために、Cピラーそのものを太く見せたかったのだ。これによって充実感のある形になっている」とコメント。
そして、「フェンダーの丸いラインは、ホイールベースが長くなったことと、上級グレードは15インチを履いているので、足元をしっかりと見せたかった。サイドの断面を絞っている(ドアの面が上述のように削ぎ面になっている)こともあり、タイヤが外に出て見えるので、そこをしっかりと見せる手法だ」とデザイン細部へのこだわりを語った。