【ダイハツ ウェイク 試乗】背が高くても安心のハンドリングとフットワーク性能…片岡英明

試乗記 国産車
ダイハツ ウェイク
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年末、テレビCMを視て、このクルマの存在と魅力を知った人も多かったことだろう。話題になっているのは、背の高さをセールスポイントに、ダイハツが市場に送り込んだ異色の軽自動車、『ウェイク』である。

クルマの横に立ってみると、このクルマの背の高さが分かるはずだ。全高は、軽1BOXワゴンの『アトレー』に迫る1835mmもある。スーパーハイトワゴンの『タント』や『N-BOX』より背が高い。この高さを生かし、室内高1455mmを実現した。小学校低学年の子どもまでなら、難なく立って歩くことができる余裕の室内高だ。

空間は広大で、どの席に座っても開放感たっぷりで居心地がいい。当然、キャビンは満足できる広さを確保している。運転席に座ると、前後、頭上ともに余裕たっぷりの空間だ。サイドの面も立っているから広々感があり、前方の見晴らしもいい。後席はリクライニングに加え、240mmスライドもする。後方にスライドすれば寛いだ姿勢で座ることができ、乗り降りもラクだ。スライド機構があるため荷室の奥行きを変えられる。これもウェイクの強みのひとつだ。フロア下のアンダートランクも小物の収納などに重宝するだろう。

エンジンは658ccの直列3気筒DOHCを積む。自然吸気エンジンとターボを設定しているが、車重が重いため自然吸気エンジン搭載車の瞬発力は今一歩にとどまっている。ある程度までスピードが乗ってしまうとストレスを感じないが、発進直後の加速は緩慢だ。ただし、クルージング時の静粛性は高いレベルにあった。アイドリングストップ機能も違和感なく作動する。もちろん、多人数乗車や坂道で余裕ある走りを披露するのはターボ搭載車だ。荷物をたくさん積み、3名乗車しても軽やかな加速を披露した。

意外だったのは、背が高いのに不安感のないハンドリングとフットワーク性能を身につけていたことである。タントと比べて重心は10mmしか上げていない。また、前後にスタビライザーも配し、挙動の乱れを抑え込んだ。だから少しスピードを高めにしてコーナーに飛び込んでも思いのほか挙動の乱れは少なく、踏ん張ってくれた。ロールスピードを上手に抑え込み、ロールしていくときも動きは穏やかだ。タントより軽やかな操舵フィールで、コントロールできる領域も思いのほか広いなど、安心して運転できる。

その反面、乗り心地はちょっと引き締まった印象だ、だが、ガチガチのハードな設定ではないので、荒れた路面でなければ路面からの突き上げはそれほど気にならない。また、背が高いので、風の強い日は横風の影響を受けやすかった。いくつか弱点はある。が、広さと使い勝手のよさを武器に、行動範囲を大きく広げることができる新感覚の軽自動車だ。安全装備に関しても抜かりはない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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