富士重工業(スバル)の吉永泰之社長は10月31日の決算発表の席上、最大の販売先である米国での2014年の新車販売が「初めて50万台を超える見込みになった」と、明らかにした。
この秋に投入した新型『レガシィ』や『アウトバック』などが好調な出足になっているためで、同社の好業績を支えていくことになる。富士重の米国販売は、歴年ベースで08年から今年まで7年連続で前年比プラスを確保、さらに直近6年は過去最高となる。13年の実績は約42万5000台であり、50万台になれば18%の伸びに相当する。
吉永社長によると「4~5年前までは年20万台前後が続いていたが、直近では年間10万台程度ずつ伸びるようになった」。この間の米国市場を優先した車両サイズの拡大や安全性能の高い評価などが、顧客を急速に広げている。
現地ディーラーからは、「製品があればもっと売れる」との要望が慢性化する状況になっている。流通在庫はこのところ18日分程度と、過少レベルにある。もっとも、吉永社長は「いざインセンティブの投入合戦になるとディーラーさんの収益も悪化する。(市場動向は)慎重に見て行きたい」と話している。