14日、フォルクスワーゲンは日本市場向けのEV、『e-up!』および『e-ゴルフ』の発表を行った。コンセプトはEVらしくないEV、ターゲットは「ライフスタイリスト」だ。
発表会でe-up!/e-ゴルフの商品説明を担当したフォルクスワーゲン グループ ジャパン マーケティング本部長 正本嘉宏氏は、日本におけるEVは2020年には新車の20%を越えるという政府予想を元に、EV、PHVはこれから主流となる技術であるとの認識を示した。
市場調査でも「モノやサービスを利用するとき、環境性能を重視したり、エコを心がけると答える層が増えています。新車購入意識では、ガソリン車、ハイブリッド車はともにパーセンテージを下げていますが、EV/PHVについては指向するユーザーが増え、ガソリン車を希望する層に匹敵するようになっています。」と説明する。
このような人たちを、フォルクスワーゲンでは「ライフスタイリスト」と呼び、e-up!/e-ゴルフのターゲット層として設定したという。そしてライフスタイリストは、EVに先進性などより実用性や自身のライフスタイルへの親和性を重視する人たちでもあるとする。EVであることを過度に主張せず、必要な機能を備えていることにこだわるような先行EVユーザーとは違った層にアピールする車だという。
そのためe-up!/e-ゴルフは、EVだからといって新しいプラットフォームを開発したり、新しいデザインの車にはしなかった。MQBコンセプトによって、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、PHV、EV、燃料電池とあらゆるパワートレインにも対応する車として設計したという。エコ感覚や新しいラフスタイルのための結果がEVという選択肢だというユーザーに向けての商品であることをアピールした。
機能や装備の面では、ドライビング・プロファイルというエネルギーマネジメント機能、4段階で調整可能は回生ブレーキシステム、走行状態などをモニタリングできる専用ディスプレイとスマートフォンと連携するサポートアプリといった特養を備える。バッテリーは床下に配置し、リアシートやトランクルームを犠牲にしない。e-ゴルフには「ヒートポンプ」機能が搭載され、冬場の暖房によるバッテリー消費を36%抑える。そしてバッテリーの保障期間は8年間16万kmまでとした。
正本氏がなにより推すのは、EVならではの加速感と静粛性だという。自身もガソリン車の『up!』に乗っているという正本氏がe-up!をしらばらく体験試乗してからガソリン車に戻ると「こんなにうるさかったのか?」と思ったほどだという。これもEVならではの付加価値として、ライフスタイリストに体験してほしいとのことだ。
販促活動及びプロモーションについては、ツタヤ書店とコラボレーションし、藤沢に構築されたスマートタウン内の「湘南T-SITE」にショールームを設けるプランと、星野リゾートのうち「リゾナーレ 小浜島」「リゾナーレ 西表島」の2か所で来年1月から4月までEVレンタルがセットになったプランが提供されるという。