【WEC 第5戦】王者アウディ勢、富士戦は予選・決勝とも5-6位に

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#2 アウディは富士戦決勝6位。
  • #2 アウディは富士戦決勝6位。
  • 予選は5位だった#2 アウディ。
  • アウディのLMPプロジェクトリーダー、レインケ氏(中央)。
  • アウディのLMP1-Hクラスのドライバーたちは世界的な精鋭揃い。左から#1のクリステンセン、ディ・グラッシ、デュバル、#2のトレルイエ、ファスラー、ロッテラー。
  • #1 アウディは決勝5位。
  • #14 ポルシェは#1 アウディを振り切って決勝4位に。
  • WEC第5戦、アウディ勢はグリッド3列目からのスタートだった。
  • ロッテラーやデュバルら、日本馴染みの選手が多いアウディは、日本のファンの人気も高い。
12日に決勝レースが行なわれた、世界耐久選手権(WEC)第5戦「6 HOURS OF FUJI」。シリーズタイトル3連覇を目指すアウディ勢は決勝も予選同様5~6位に終わり、マニュファクチャラー王座争い首位の座をトヨタに奪われている。

今季の富士以前の4戦は2勝2敗だったアウディ対トヨタ。しかもアウディの2勝が、雨などの展開の助けも得つつの勝利に思われたことも事実。それでも、1年ぶりにWECの実戦を見る日本のファンからすれば、現行WECがスタートした2012年以降、2年連続でマニュファクチャラーとドライバーの2冠を制しているアウディが、トヨタはまだしも、新参ポルシェにまで先行を許しての5~6位という結果には驚きを禁じ得なかったはずだ。

主にハイブリッドシステムを巡る技術規定が新しくなり、各社がそれぞれの理念と判断に基づいて三者三様の“異なる道”を選んだ今季。技術的なことの真相は傍目からは計り知れないが、レース内容と結果から見る限り、エネルギー回生システムの(ルマン1周あたりの)エネルギー放出量“2MJプラン”を採るしかなかったともいわれるアウディの理念と判断は、彼らの戦況を厳しくするものだったのかもしれない(トヨタとポルシェは6MJプランを選択)。マシンパフォーマンスに関しては開幕戦からトヨタ優位の状況が続いており、今回富士ではポルシェ(決勝3~4位)の後塵も拝する結果となった。

ただ、それでもアウディはあきらめずに逆転勝利への道を探っていた。#2 A.ロッテラー組が最初のピットインの際にタイヤ無交換(通称:ダブルスティント)作戦を試したのである。タイヤ交換を2回に1回として作業時間を減らすことを「今回の戦況のなかで勝利へ接近するためのトライとして実行した」(アウディLMPプロジェクトリーダーのクリス・レインケ氏)。

しかし、#2は2回目のピットインまでに、スタート~1回目の周回数の半分ほどしかラップできず、この作戦はここで頓挫した模様。最終的には#1 L.デュバル組と#2 ロッテラー組が予選順位を入れかえたかたちでの、5-6フィニッシュとなった(#1が決勝5位)。この結果、マニュファクチャラー選手権の首位を8点差でトヨタに奪還され、ドライバー選手権では#2のロッテラーらが、首位の#8 トヨタの2人(A.デビッドソン&S.ブエミ)に29点差と大きく引き離されている(WECは通常、優勝25点)。

ダブルスティント作戦について、ロッテラーは予選日の夜に「難しいと思う」と語っていた。彼の僚友ブノワ・トレルイエも同じく予選後に、「前戦ほどタイヤに関してハッピーな状況ではないんだ」と語っており、フリー走行で決勝セッティングに注力した効果には期待しつつも、万全感は持てていない雰囲気だった。それでも彼らは決勝本番で「レースが始まってからのラップタイム推移も見つつ、ダブルスティントにトライすることを決めた」(レインケ氏)。その姿勢は“王者らしいチャレンジングスピリット”であり、不発に終わったとはいえ、トヨタ勢を安穏とはさせないところでもあるだろう。

ドライバー選手権はともかく、マニュファクチャラー選手権の方は、まだポイント的に僅差。今季型のアウディR18 e-tron quattroはその様々な意味でのマシンの成り立ちや他車との個性の違い等によって、「タイトコーナーが続く、富士の最終セクションのようなところでは有利とはいえない」とレインケ氏は話す。

残り3戦のコース(上海~バーレーン~サンパウロ)にもそういうところが少なくはないが、「最近のF1開催コースに多いレイアウトではあるけれど、各コースに対する我々のマシンのベストな仕立て方、戦い方を考えていく。それは我々にとって(技術的な)チャレンジでもある」と、戦う技術者らしい決意も語るレインケ氏は、さらに「今日は母国で素晴らしい勝利を成し遂げたトヨタの戦いぶりを讃え、敬意を表するが、我々も戦い続ける」とも話していた。

アウディが現行WEC発足から3年連続のマニュファクチャラー王座を再逆転で獲得するか、あるいは戦況有利なトヨタが逃げ切るか。11月、過密日程のなかで展開される残り3戦のタイトル争いが注目される。
《遠藤俊幸》

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