2014年のF1日本GP決勝。4回目の母国レースを迎えた小林可夢偉(ケータハム)は19位で完走を果たした。
レースウィーク開幕前の水曜日に参戦が正式決定し、そのまま鈴鹿入りと慌しいスケジュールで今年の日本GPが始まった可夢偉。金曜日にはクラッシュ、土曜日にはブレーキトラブルとアクシデントに悩まされていた。
他車のグリッド降格ペナルティもあり、19番手からスタートした可夢偉。2周終了時点で悪天候のため赤旗中断があったが、再開されるとファンの声援を受け粘り強い走りを披露。しかし、週末の準備不足の影響は大きく、なかなか順位を上げられないレースが続いた。それでも、ファンは可夢偉が通る度に旗を振って声援を送り、それを見て力をもらった彼自身も諦めずに力走をみせた。
終盤の38周目に2回目のタイヤ交換を行なった際に、チーム内での伝達が上手く行き届かず小雨用のインターミディエイトタイヤを装着。慌てて翌周に再度タイヤ交換を行い、当初予定していたウエットタイヤを装着。後半は混乱がみられてしまった。
終盤に起きたジュール・ビアンキ(マルシャ)のクラッシュにより44周で赤旗終了となった。レース後の囲み取材で可夢偉はこのようにコメントした。
「まずはビアンキの状態が心配です。難しいコンディションでしたし、終盤にはタイヤを履き間違えることもあって結構タイムロスしてしまいましたが、まずは完走するという目標を達成できてよかった。中盤はインターミディエイトタイヤでのペースが良くなかったですが、フルウエットの時は安定して走れました」。
「本当に苦しい場面もあったけど、こうやって鈴鹿で完走するということは意味があると思います。自分が出場した4回全てで完走できたのでよかったです」。
「各コーナーで旗を振っているファンも見えて嬉しかったですし、感謝しています。僕も力をもらったけど、残念ながら結果につなげることができなかった。また次回に生かしていきたいです」。
今週末は流れが悪いままのレースになってしまったが、母国ファンのために最後まで力走をみせる可夢偉が印象的だった。