ついにこのコンパクトカークラスにまで展開したマツダ期待のディーゼル。
静かですから車内にいたらわかりませんよと言われても、いや、わかるし。贔屓目に見て、耳を8割引きにしても聞こえるし。人間、見たくないものは見えない、聞きたくないものは聞こえないんだろうけれど、ユーザーは耳、すませちゃうからディーゼル音、やっぱり聞こえます。きっぱり。
とはいえ、『デミオ』の車両価格では、遮音剤に予算をつけられないのは理解しなければならないだろう。お金さえかければ、車内への音の侵入はもっと食い止められるのだ。でも、高くなってもいいですか? って話。つまりここがバランス点とマツダはふんだわけである。確かに聞こえるけれど、走り出せばわからないし、信号待ちではアイドリングストップもしてくれるから、慣れてしまえば気になるレベルではないだろう。
いや、そんなことよりディーゼルの利点に目を向けたい。それはトルク感である。加速するときに力強く盛り上がってくるトルク。1.5リットルという排気量ながら、それは十分に感じることができる。さらにパドルシフトが装備されているため、シフトチェンジで適切なギアを選び、アクセルをふめば、これまで感じたことのないハイブリッドとは違う手ごたえのある加速を味わうことができる。ハンドリングは、エンジン単体が重く振り回され感が残り、ガソリン車ほどのキレのよさはないけれど。
Lパッケージの赤いラインが入った白いシートは超お洒落。他人との差別化、ちょっと高級なテイストを味わえる。なんやかんやいっても、ディーゼルという新種の育成は、これからなのである。
5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。