【スズキ スイフト RS 試乗】ハンドリング自慢プラス燃費自慢も出来るクルマに…中村孝仁

試乗記 国産車
スズキ・スイフト RS
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ヨーロッパ・チューンのダンパーやタイヤを装備した走り自慢の『スイフト RS』に、燃費指向のDJEユニットとエネチャージを搭載したモデルがデビューした。今や走り自慢だけでなく、燃費自慢でもある。

スズキ広報によれば、ユーザーがRSに対して求めるのはやはり走りの性能で、燃費については要求項目の下の方にしか出てこないという。しかしながら、もしその燃費でも卓越したものを持てば、新たな顧客層を開拓できるのではないか…。そんな開発のバックグラウンドがあった。

従来のヨーロッパチューンのダンパーやステアリング特性、それにヨーロッパ用のタイヤなどはそのままに、新たにデュアルインジェクターのDJEユニットを搭載したのに加え、アイドリングストップとエネチャージも搭載した結果、燃費はJC-08モードで26.4km/リットルに向上している。もちろんこのカテゴリーのクルマとしてはトップクラス。加えて走りが良いと来れば、まさに二刀流である。

DJEユニットを搭載したことによって、メーターは新たに大型のスピードメーターの左にブロック式デジタルのタコメーター、右側に同じくブロック式の水温計と燃料計を備えるものに変わり、運転状況によってメーター及び背後の色が変わる仕組みになっている。

通常運転はブルー、燃費効率が良い時はグリーン、そしてエネチャージが作動しているときはホワイトといった具合である。これだけのものを搭載してもお値段は160万2720円なのだから、いかに知恵を出したクルマ作りをしているかがわかる。少なくともリチウムイオンバッテリーを搭載したり、デュアルインジェクターにすればコストはかさむ。それをたったの12万円アップに抑え込んでいるのだから、見事というほかはない。

走りは相変わらず軽快でどっしりだ。一見相反するような言い回しだが、ハンドリングに関しては非常にリニアな反応を見せることと、転舵したイメージそのままにドライバーに意のまま感が伝わる動きを見せること。一方のどっしりは非常に接地感を感じる食いつきの良さと、安定感のある乗り心地を意味するものである。

排気量は正確にいえば1242cc、つまり1.2リットルというより1.25リットルと呼んだ方が正しい。アルファロメオなど昔から1.75リットルに1750という名をつけていたぐらいだから、スイフト RSもそれにあやかって、「スイフト 1250」としたらカッコいいのにと思ったほどである。

トランスミッションはCVTのみの設定。一応パドルシフトで7速のマニュアルモード変速が可能だ。といってもやはりマニュアル的なメリハリはなく、ある意味お遊び程度の装備という印象が強い。

そしてそのCVTだが、燃費を稼ぐ目的でプーリーを押す油圧を下げているのではないかと感じられた。というのも、パーシャル領域からフルスロットルの加速に移る場合など、若干のタイムラグを感じるからだ。また、50km/h程度でアクセル一定の定常走行をしていても、僅かながらスピードが上下する。この点を除けば、燃費と運動性能は見事に両立している。

ちなみにまったく市街地のみの走行でリットルあたり13km程度の燃費だった。ごく普通に走った結果で、省エネ運転はしていない。さすがにJC08モードで謳う高燃費は無理だったが、省燃費運転をすればハイブリッド車並みも期待できそうだ。

デザインに関して個人的な意見だが、飽きの来ない、そして親しみやすいデザインだと思う。しかも基本デザインは何と2004年からほとんど変わっていない。すでに10年の時が過ぎているのに相変わらずエバーグリーンで、魅力的なスタイルである。このデザイン、10年前のものと思えますか?

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★


中村孝仁│AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来36年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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