レクサス『GS』に追加された「300h」は既にクラウンやISに搭載されている4気筒2.5リッターエンジン+ハイブリッドシステムを移植したモデルだ。今回は手触りの良いセミアニリン本革シートなど快適装備を充実させた「バージョンL」に試乗した。
GS300hはモーターやニッケル水素電池を搭載するため、ガソリン車のGS250に比べるとざっと100kgくらい重くなった。クラウンのハイブリッド車やIS300hと比べても、GSはボディが大きいためにやはり100kgくらい重い。
なので試乗する前には走りの性能がどんなものか思っていたが、実際に走らせてみると走りのフィールは何の不満もなかった。というか、ボディ重さを感じさせない軽快感のある走りを示した。
131kW/221Nmを発生するエンジンに105kW/300Nmを発生するモーターを組み合わせ、システムとして162kWの動力性能を発生するのだから当然といえば当然だが、想像していた以上に良く走る印象だった。
GS300hの燃費は、ほかのグレードではクラウンと同じ23.3km/リットルだが、装備によって重量区分が変わるバージョンLは21.4km/リットルに落ちる。それでも十分に良い燃費であるのは変わらない。
足回りはGS300hにはLDHの設定はないものの、乗り心地はこなれた印象を与えるものだった。硬めの印象を強く感じたISとはかなり違う足回りに思えた。
走行モードの選択が可能で、エコ、ノーマル、スポーツS、スポーツS+の4種類のモードがある。それなりにメリハリの利いたモード設定である。
IS300hと違ってGS300hにはトランクスルーはないが、パフォーマンス志向の強いGS450hとは違う手ごろなハイブリッド車としての存在意義は十分にあると思った。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。