本田技研工業は、新型50ccスクーター『ダンク』を2月20日より発売する。
国内の二輪車市場活性化への取り組みの一つとして発売された同車は、50ccスクーターとしては実に12年ぶりの新開発となる。
「若者の通学・通勤や日常生活の楽しみを広げるスクーター」をテーマに掲げた同車の開発の経緯やコンセプトについて、二輪事業本部コミューター領域統括の今田典博氏が話してくれた。
----:12年ぶりの新開発ということですが、どうしてここまでブランクが空いたのでしょうか。
今田:市場がどんどん縮小していって、効率の良い開発がしたいと思った。そのとき、実用的・低価格で出したのが『トゥデイ』だ。これ一台でたくさんの需要に応えようとしたが、動力性能の低さや、品質の部分が見劣りした部分があった。それに対する皆さんの要求が高かったので、今回刷新した。
----:ターゲットユーザーにも含まれている、学生に対する需要はどうですか。
今田:最初に乗ったバイクから次に乗り換えるときに、同じメーカーであることが多い。そのため、ホンダのモデルに乗って欲しいという思いから、若者が乗りたくなるバイクを提案した。
----:四輪でも、若者のクルマ離れの傾向がありますが、二輪にもその波が来ていますか。
今田:需要は増えていないので、喚起していきたい。『自分の生活スタイルに合わせられる』というバイクが元々持っている利便性を感じてくれるきっかけになるような形にしたいと思う。
----:紙パック飲料が収納できたり、スマートフォンの充電ができるのは、若者にはありがたいですね。
今田:基本的には(装備よりも)カタチ。今の人たちは自分が主役なので、どんな服装にも合って、(バイク本体が)目立たない自然体にさせたかった。しかし実用面はしっかりさせて、メットボックスの収納も沢山入るようにする。原付として最大限の利便性は妥協せずに作り、デザインは自然体にした。
----:乗って見せつけるようなものではなく、日常に組み込まれるようなものですね。
今田:しかし、現在の50ccスクーターのなかでは最速。なおかつ、燃費も良いし、走りも静か。オールラウンドでナンバーワンになれるものをつくりたいと思った。
----:身の回りのグッズを持つような感覚ですか。
今田:「バイクが欲しいから買うのではなく、『こんなときにこんなことで使いたいから』という”道具”として買っていただきたい。そこからバイクの良さを知ることで、初めてバイクユーザーになる。