登録乗用車市場でのHV比率は29.5%に
2013年の国内新車市場は前年を0.1%上回る約537万台と、ほぼ前年並みになった。このうち、日本市場で人気の高いハイブリッド車(HV)の動向を車名ランキングにまとめてみた。上位10モデル(レクサスはブランド合計で集計)のうち、トヨタ自動車が7モデルを占め、バリエーションとボリュームで他社を圧倒している。ただ、昨年から新HVシリーズの投入を始めたホンダや富士重工業(スバル)などによる新参入のモデルも健闘している。
◎2013年の国内HV販売ランキング(台)
1. アクア 262,367
2. プリウス 253,711
3. フィット 91,487
4. クラウン 54,888
5. フリード 34,350
6. レクサス 33,392
7. カローラ 30,121
8. サイ 12,528
9. カムリ 11,572
10. アコード 10,788
(*レクサスはIS300hなど7モデルの合計)
日本自動車販売協会連合会の集計などによると13年に国内販売された日本メーカー製HV(乗用車)は、約84万8000台(前年比3%減)だった。この台数にはプラグインハイブリッド車(PHV)を含み、日産自動車が『セレナ』に設定している簡易型の「スマートシンプルハイブリッド」は除外した。
13年の登録乗用車市場は軽自動車人気に押されて前年を5%下回っており、HV全体も若干の減少となった。それでも、HVの設定がない軽自動車を除く登録乗用車に占める比率は29.5%と、前年に続いて3割水準をキープした。
フィットがアクアとプリウスを猛追する展開に
ランキングでは11年末に登場したトヨタの『アクア』が『プリウス』を1万台弱上回り、初のトップとなった。両モデルは軽自動車を含む13年の車名別ランクでも1、2位を占めた。HVの3位には9万台余りを販売したホンダの『フィット』が入った。フィットは昨年9月の全面改良を機にHVも刷新され、以降、高水準の受注・販売が続いている。今年はアクアやプリウスを脅かす存在となりそうだ。
4位は12年末の全面改良から丸1年が経過したトヨタの『クラウン』が5万台強でつけた。また、13年秋にHVシリーズを設定した『カローラ』も約3万台(7位)となっており、フルに寄与する今年は、上位進出が確実となっている。レクサス(6位)は13年に新規設定となった『IS300h』などHV7モデルを合計した数字。昨年に国内で販売されたレクサス(4万6772台)のうち、実に71%がHVであり、日本での同ブランドの偏った販売特性を示す格好となっている。
今年の上昇が見込まれるハイランダーやXV
また、レクサスを含むトヨタの13年のHV(乗用車)販売は約67万9000台で、前年からほぼ横ばいだった。ただし、設定車種の拡大により登録乗用車に占める比率は前年の45.0%から48.5%へと3.5ポイントも増えた。トヨタ以外の新モデルも健闘ぶりが目立っている。国内名ではHV専用となったホンダの『アコード』は販売期間がほぼ半年だったにも拘わらず1万台に乗せた。
また、三菱自動車工業が初めて市場投入したPHVである『アウトランダーPHEV』(13年1月発売)は、投入直後のリコールや生産停止というアクシデントがあったものの約9600台となった。さらに富士重工のHV第1号である『XVハイブリッド』(同年6月発売)も、実質半年の販売で約8000台となっており、これらのモデルは今年の上昇が見込まれている。