【トヨタ カローラ フィールダーHV 試乗】愛犬家にもお薦め、コンパクトHVのユーティリティ極めた1台…青山尚暉

試乗記 国産車
トヨタ カローラ フィールダー ハイブリッド
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現行カローラがデビューしたとき、開発責任者に「HVはないんですか? 」と聞いたら、カローラは値段が命。高くなっては元も子もない。アクア もありますし」というつれない答えだった。

しかし、予想通り、出ました。カローラのユーザーの熱い要望に応えて。 結果、発売から1カ月間で、フィールダーHVだけで約1万5000台もの受注台数を獲得。これは想定の約10倍とのこと。ほとんど10倍返しの半沢直樹状態。ガソリン車より40~50万円高なのに、である。

HVシステムはアクアと同一。つまり1.5リットルエンジン+2モーターの THSII。エンジンは74ps、11.3kgm、モーター61ps+17. 2kgm、システム出力100psというスペック。JC08モード燃費は33 .0km/リットルを誇り、ワゴン最上である。

ガソリン車からの変更点は最小限。エクステリアではフロント回り、イン テリアではメーター回りの一部がHV専用となるだけ。ちなみに荷室容量 、使い勝手はガソリン車と変わらない。ただし後席下にニッケル水素バッテリーが置かれるため、シートのクッションはやや薄くなり、シート下に 出っ張りができたため足が引けなくなった…と言ってもガソリン車から乗り換えなければ分からないレベルではある。

走りだせば、おやっ?乗り心地は明らかにアクアよりいい…どころではなく、プリウスよりいいのだから驚く。静粛性にしてもシーンによって は上級のプリウスを凌(しの)ぐほど。特に出足からの軽快感ある走行感覚はアクア、プリウスを圧倒。プリウスと乗り比べると、いかにプリウスが重ったるく、動きが鈍重かが分かるほどだ。そう、想定外に走りがいいのがフィールダー(試乗したのはエアロツアラー)なのである。

ただし、内外装デザイン同様、HVらしさという点ではカローラフィールダーHVは薄味だ。エンジンは比較的すぐにかかるし、モーターアシストも弱め。逆に言えば、ガソリン車歴数十年というHV嫌いのガンコ者でも違和感なく乗れるHVとなる。それでもゆったりしたロングツーリング なら20km/リットルを越える燃費性能の持ち主なのだからHVならではだ。

荷室はガソリン車同様、フロアが地上57cmとごく低く、重い荷物の出し入れはもちろん、大型犬などを乗せるにも最高だ。フロアはフラットで奥行きも97cmとハッチバックのプリウスを11cm程度上回る広さ。後席をワンタッチで前倒しすればやや角度はつくものの、フロア奥行きは156cmと さすがワゴンと言えるスペースが出現する。

ちなみに身長172cmのボクでも車中泊可。フロア奥行き156cmでも、ヘッドレストを逆向きに付けて伸ばし、枕代わりにすると総長170cm程度のベッドになるからだ。

そしてフィールダーは大型犬などペットの乗せ場所自由自在。リヤドアからであれば後席座面高が57cmと低く、ジャンプしやすく、また、荷室もまたフロアが低く、さらに荷室のデッキボードを立てに畳むと荷室前後をパーティションでき、人(前席)+人(後席)+犬(荷室前)+荷物(荷室後ろ)という4列フォーメーションも可能。愛犬家のためのワゴンとしても実用度抜群なのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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