ゼンリンデータコムがAndroid向けに提供している「いつもNAVI[ドライブ]」のインプレッション。後編では、実際に案内させた場合の使い勝手について報告したい。
レベルの高いガイド機能
ガイド機能はナビゲーションアプリとしては一般的なもので、交差点の拡大表示、レーン表示、交通案内板表示、ジャンクションやインターチェンジのイラスト表示などの機能がある。前述の高精細な地図が走行とシンクロしてスムーズにスクロールしていく様子は高級感があり、スマートフォンをカーナビの代用にしているという雰囲気は全くない。音声ガイドも流暢で、全体にレベルが高いと思わせる。
ただ、しばらく使用していると、停車している時に突然地図がクルクルと回ったり、走行中に突然自車位置が変わるトラブルが発生した。設定を確認してみると「センサアシスト」という設定項目があり、デフォルトで有効になっている。これをオフにすると不具合は解消した。
調べてみると、センサアシストというのはスマートフォンの加速度センサーやジャイロセンサーを使って、トンネル内などGPSの電波を補足できない状況でも自車位置の測定ができる機能だ。ただし、この機能を使うためにはスマートフォンを水平に設置する必要がある。
また本アプリではスリープ状態にしてもバックグランドで実行されるため、使用してない場合はアプリを終了させよう。メニューにはアプリ自体を終了させるボタンが設けられている。
◆ 通信機能でガソリン価格や駐車場の空満情報を表示
通信できない環境でもほぼ全機能を支障なく使えるのが本アプリの特徴だが、1つだけ通信機能を活用した機能を搭載している。それが「ドライブコンテンツ」だ。地図画面に設けられた専用のボタンで設定した店舗情報を地図上に表示できる機能で、リアルタイムな情報を得ることができる。
10種類あるコンテンツのうち、ガソリンスタンドと駐車場のアイコンは常に有効になっており、最新のガソリン価格とリアルタイムな駐車場の空満情報が地図に表示される。ほかには「コンビニ」、「ホットペッパー」、「ぐるなび」といったコンテンツがあり、それぞれ表示する条件を設定することもできる。
ただ、表示のアイコンはかなり小さい。ガソリンスタンドの情報ではそこにガソリン価格が表示されるのだが、肉眼ではぱっと見では判別しにくいかもしれない。とくに昨今のスマートフォンは高解像度化が進んでおり、今回使用したスマートフォン(ソフトバンク 203SH)のディスプレイはサイズが4.9インチで解像度がHD(1280×720)となっているが、表示部分が小さくなってしまうのはやむを得ないところか。駐車場の空満情報はアイコンが色分けされるので十分に実用的に使える印象だ。なお、せっかく通信機能を使っているのだが、渋滞情報には対応していない。
◆基本性能は非常に高く、難しい操作が苦手な人におすすめ
ほんの数年前までは、結構な値段のカーナビ専用機でさえ、地図はスカスカでスクロールするとカクカクと引っかかったものだ。本アプリの高精細な地図がストレス無くスクロールするのを見ると感慨深くさえ感じる。これはスマートフォンの性能が向上したというだけではなく、本アプリが地図描画を抜本的に改善した効果も現れている。表示の美しさ、流暢な音声ガイドの聴きやすさなど、基本的な部分の性能は非常に高い。
分かりやすさを第一に考えたUIはカーナビ専用機のようで、スマートフォンの操作が苦手な人にも使いやすく、余計な機能はいらないから使いやすいナビアプリが欲しいという人におすすめだ。また、詳細に作り込まれた地図データも大きな魅力の1つといえるだろう。