300万円を大きく切るスターティング・プライスと、長年の実績が育んだブランド力の高さによって、「絶好調の販売立ち上がり」が報告される日本での『Aクラス』。名前は受け継いだが「これまで2代とは別モノ」である事は、長く、低くなったプロポーションを目にし、脚を投げ出して低く座るドライバーズシートへと腰を下ろしてみれば、走り出す以前から誰にとっても明らかであるはずだ。スポーティさを全面に打ち出した新型だが、「A180」の加速感は意外にもごくマイルド。アクセルペダルを深く踏み込めばそれなりの“速さ”が実感出来るが、日常シーンでは思いのほか「大人しい加速力」しか得られないのだ。フットワークは、低重心感に富んでコーナリングは得意科目だが、乗り味のしなやかさには乏しい。路面からの入力が増すと加速度的にショックが増すランフラット・タイヤの弱点も克服出来ていない。スポーティな走りを求めるならば「A250」がオススメ。■5つ星評価(A180)パッケージング:★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★フットワーク:★★オススメ度:★★★河村康彦1960年生まれ。自動車専門誌編集部員を経て、1985年よりフリーランス活動を開始。現所有車はポルシェ・ケイマンS、スマート・フォーツー、VWルポGTI(ドイツ置き去り…)