【JNCC 第3戦】近年まれに見るサバイバルレース、鈴木健二2勝目

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序盤を沸かせた、鈴木健二 VS 渡辺学の125cc対決
  • 序盤を沸かせた、鈴木健二 VS 渡辺学の125cc対決
  • 会場は、鈴蘭高原。ゲレンデベースの雄大なフィールドを使用する
  • 近年まれに見る、タフなフィールドだった
  • 岩場の下りは、走り慣れた上級者でも苦戦するほど難しい
  • バックには、アルプスの美しい景観
  • Show Timeと名付けられたガケ上りセクションでは転倒続出
  • ラストラップ、全開で鈴木健二を追う出口隼飛
  • 喜びをあらわにする出口隼飛

日本国内で最も注目されるオフロードバイクレースJNCCの第3戦目が、5月19日に岐阜県鈴蘭高原にて開催。同会場は、3年目となり勝手も知られたところ。特に、アルプス山脈、御岳を望む景観をバックに走る爽快さで非常に人気が高く、今大会も今季初の500名オーバーのエントリーを集めた。

開幕戦で優勝した渡辺学(ヤマハ)、第2戦で優勝した鈴木健二(ヤマハ)二人の対決の行方が観戦ポイントだったが、今回はこの二人はいつものマシンと変えて2スト125ccのYZ125でマシンを揃えての対決となった。鈴蘭高原はゲレンデをベースとしたアップダウンの激しいフィールドだけに、フルサイズのレーサーとしては最小排気量のマシンではなかなか苦しいところ。若手の小林雅裕(ホンダ)はCRF450R、矢野和都(KTM)は350EXC-Fと周りの強豪は上りに強い大排気量マシンで、この鈴木・渡辺ツイントップを追いかける展開となりそうだ。

しかし、レースがはじまるとトップカテゴリーAAクラスは、序盤から鈴木・渡辺のマッチレースに。パワーバンドに入ったままの2台が、水を得たように走りまわる。小林ら若手は数周これに食らいつくも、徐々に引き離されてしまう。展開が変化しはじめたのは1時間経過時あたり。厳しいコースにトップ二人も転倒しながらのバトルだったが、渡辺が転倒時にフロントブレーキを完全に破壊してしまい、ペースを落としてしまう。

鈴蘭の牙はそれだけにとどまらず、2時間経過時点で雨が降り出す。本降りになるにつれ、路面状況は急激に悪化。鈴木でさえも何度もクラッシュする後半戦。それでも余裕に思われた鈴木だったが、若手の一人である出口隼飛(ヤマハ)が最終ラップに向けてグイグイと鈴木に差を詰める。出口と鈴木は森の中から、二人で抜きつ抜かれつのバトルをしながら観客の前に現れ、会場のボルテージが一気に上昇。出口コールが巻き起こるなか、鈴木はギリギリで貫禄勝ち。今季2勝目、辛勝となった。3位には、フロントブレーキを失ったまま走行した渡辺学。

セカンドカテゴリーのAクラスは、高校生ライダーの前橋孝洋(ハスクバーナ)が今季2勝目をマーク。序盤4番手あたりだったものの、終始追い上げを効かせて後半1時間あたりでトップを走行していた中島章悟(ホンダ)をロックオン。実力で追い抜き、きっちり強さを見せつけたレースとなった。

《稲垣 正倫》

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