『アテンザ』がフルモデルチェンジし3代目となった。
アテンザのルーツは『カペラ』というクルマで、カペラの時代には『センティア』や『ユーノス800』、さらにその前は『ルーチェ』などの上級セダンがラインアップされていたが、いずれもカタログ落ちとなったため、初代アテンザのシリーズ途中から、アテンザがマツダのフラッグシップセダンの役目を果たしている。
初代、2代目はボディサイズも若干小さめで、フラッグシップセダンというにはもの足りない雰囲気であったが、今度の3代目は全長が4860mm、全幅が1840mmと堂々としたサイズ。全幅はセンティアをはるかにしのぎ、初代〜3代目の『セルシオ』よりも広い寸法。
セダンについては2.5リットルと2リットルの2種のガソリンエンジンに試乗した。2.5リットルエンジンはゆったりとトルクが盛り上がっていくタイプのセッティングだが、低速トルクもしっかりとあるのでまるでディーゼルエンジンのような大人びたフィーリング。
今までの国産車はユーザーが「出足がいい」ことを求めていたこともあって、ビュンと飛び出す加速を重視していた。しかしアテンザはそれをやめた。子供じみたビュンという加速を捨て、ゆったりとしかし確かなフィーリングの加速を与えることで、大きくなった車格とのマッチングもよくなった。
2リットルエンジンもフィーリング的には同様だが、当然のことながらトルクが低めの設定。だからといって、遜色を感じることはない。とにかく重装備で上級グレードという指向でなければ、私としてはガソリンエンジンなら2リットルをおすすめしたいと感じた。
5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。