BMWのクリーンディーゼル搭載車が、矢継ぎ早に登場してきた。BMW『523d BluePerformance』もその中の1台。
エンジンは3シリーズ、X3などと共通の「N47D20C型」2リットルツインパワー・ターボ・ディーゼルで、スペックは184ps/38.7kg-m。組み合わせられるのは8速ATだ。ちなみに3モデルともエンジンスペック、8速のギヤ比は共通だが、最終減速比のみ各モデルの車重に応じて変えられていて、523dはセダンとツーリング(ワゴン)では違う。
試乗したのは523dのセダン。走らせた印象は、「十分にスムースで速い」だった。さすがに5シリーズだけあり、エンジンはカプセルに閉じこめられたように低騒音、低振動。アイドルストップ後の再始動も、ささやかに感じられるだけ。3.5リットルガソリンエンジン並のトルクが謳い文句だが、事実、通常のアクセルワークでも2000rpm程度回していれば十分。コンソールの「ドライビング・パフォーマンス・コントロール」でエンジン特性、サスペンション、ステアリングを切り替えれば、エコでおっとりした走りも、スポーツカーに匹敵する走りも堪能可能だ。
パワーユニット自体は共通ながら、3シリーズ、SUVのX3と乗り較べると、さりげなくキチンと、モデルごとのキャラクターに最適化させた特性に仕上げられている点も素晴らしいと思った。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。