【トヨタ プリウスPHV】実用性はさながら電動アシスト自転車のよう…島崎七生人

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トヨタ プリウスPHV
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現実的なEV走行が可能になった『プリウスPHV』を7日間使用したところ、通常の『プリウス』以上の低燃費性能を実感した。

試乗期間中、ひたすら車載の燃費計の数字を読みながら過ごしたが、街中の4kmを15分かけて走った区間、HV+EVの混在した走行パターンでは、48.5km/リットルの数字を読んだ。

また筆者の自宅近くのスーパーマーケット(その距離2km)まで乗ると、34.2km/リットルなど。さすがハイブリッドの面目躍如といったところか。ガソリン車の“チョイ乗り”では、こういうわけにはいかない。

他方、高速道路(アクアライン含む)が全体の3分の2程度、トリップ計が281kmを示したドライブでのガソリン給油量は10.58リットルだった。したがってこのときの燃費は26.55km/リットル。高速走行時は法定速度を基本とし、急加速等は控えながらも、あえて神経質に省燃費運転は意識せず、普通の感覚でHVとしてプリウスPHVを走らせた場合の一例である。

実際のオーナーであれば、自宅でフル充電しながら乗るパターンのはず。だとすれば、生活スタイル次第で“EV走行比率”がグンと高められ、ガソリンをとことん節約した乗り方ができる。場合によっては、限りなくEV的な、ガソリンスタンドへ行かなくても済む使い方も不可能ではなく、それはプリウスPHVだからこそできるスタイルだ。

そういえば、プリウスPHVはHVと較べ、バッテリーの搭載容量(自重)の差分等が奏功してか、よりしっとりと重厚な乗り味が体感できる。さらに初期型に較べ、ベースのHV同様、ロードノイズ、エンジン音の遮断がより入念で、走行中の音や振動の伝わりかたが低く、快適なドライバビリティをモノにしているのも今回改めて実感した。HV走行の制御も実にキメ細かで、エンジンの休止も頻繁に実行されるる印象だ。

以前、EVの日産『リーフ』にも、計2か月以上、実生活のなかで試乗した経験があり、ガソリンエンジンに戻れなくなるほどの快適性、賢さが魅力なのは肌で実感済み。一方で、外出中の充電事情にまだ課題を残す点も痛感した。

対してプリウスPHVは、誤解を恐れずにいえば“ご自宅用の電動アシスト自転車の代わりにもなるクルマ”なのかも知れない。用途次第で、HVとしてだけでなくEVとしても通用し、しっかり実用となる点に、おおいに惹かれた。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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