【新聞ウォッチ】トヨタ業績予想、「不安」を抱えて「上方修正」

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2012年2月8日付

●トヨタ営業益72%減、4〜12月期通期利益3位転落か(読売・1面)

●海底トンネル浸水5人不明、岡山・倉敷、JX製油所で掘削中(朝日・1面)

●東電、中古車価格で賠償へ、警戒区域内の自動車(朝日・5面)

●兵庫県、パナソニックに「補助金返して」尼崎工場、早過ぎる休止(朝日・7面)

●トヨタ営業利益2700億円、3月期見通し、700億円上方修正(朝日・9面)

●燃料電池会社スズキが新設、英ベンチャーと合弁(朝日・9面)

●レッドブル新車「開口&段差」(毎日・17面)

●直球緩球:三菱自動車・益子修社長ミラージュで燃費30キロ目指す(産経・11面)

●車の街巣くう荒廃、揺れる変革、オバマ政治の功罪(東京・1面)

●半導体3社事業統合交渉、ルネサス刺す・富士通・パナソニック、設計と製造で新会社(日経・1面)

●ロジウム不要の排ガス浄化触媒、ダイハツ・阪大が開発(日経・9面)

ひとくちコメント

トヨタ自動車が2012年3月期第3四半期決算を発表したが、4~12月期連結の本業のもうけを示す営業利益は72%減の1171億円、純利益が前年同期比58%減の1625億円。ただ、3月期通期の営業利益は42%減の2700億円を見込み、純利益予想も前期比51%減の2000億円と従来予想からそれぞれ700億円と200億円引き上げている。

きょうの各紙を見ると、記事の内容は変わらないが、見出しによってずいぶんイメージが違う。まず、読売は1面準トップで「営業益72%減、4〜12月期通期利益3位転落か」と4~12月で大幅減益となった衝撃的な数字を見出しに使い、経済面でも「トヨタ内憂外患」としながら「続く円高・輸出の足かせ」「欧州危機・新興国に陰り」とトヨタの業績は「先行き不透明」と報じている。

毎日も「営業益72%減、震災、洪水、円高が重荷」と2面の総合面で掲載。経済面では「挽回へ不安要素多く、北米で守勢、韓国勢も台頭」と取り上げた。

一方で、朝日は「トヨタ営業利益2700億円、3月期見通し」として、700億円の「上方修正」を強調。東京、日経も「上方修正」を大見出しにしている。産経は「業績上方修正も続く正念場」としながら「忍び寄る不安」と欲張った見出しである。

早い話、天気予報のように表現すれば、「豪雪から曇り空に変わり、その後はようやく薄日が差し始めている」といえるだろう。あと1か月余りであの「3・11」の悲劇から1年になる。4年以内には首都圏にも大型地震が発生する可能性が高いとの専門家の予測も取り沙汰されている。果たしてこの先、平穏無事にシナリオどおりに進んでくれるかどうかである。

《福田俊之》

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