気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年1月10日付
●車の世界需要「12年最高に」ゴーン社長、国内生産「維持」(読売・8面)
●北米車ショー、GM新小型車、日産、4年ぶり復帰(読売・8面)
●バスケットボール・全日本男子決勝、王者アイシン止めた、10人総力トヨタV(読売l・22面)
●ユーロ、一時97円台前半(朝日・3面)
●現代エラントラ最優秀車に選出、北米カー・オブ・ザ・イヤー乗用車部門(朝日・4面)
●ホンダ、中国新車販売初の減少(日経・7面)
●米ビッグ3、反転攻勢へ、エコカー一斉投入、新興国開拓急ぐ(日経・13面)
ひとくちコメント
世界最大級の自動車イベント、北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)がデトロイトで開幕。報道公開に引き続き、14日から22日まで一般公開する。きょうの各紙にもショーの見どころなどを取り上げている。
朝日は「エコ競演 高級車も」との見出しで、「各社は電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などで環境性能を競う一方、価格が比較的高く利幅の大きな車も売ろうと、スポーツカーなどの試作車も多く並べる」と紹介。
日経は「米フォード・モーターはHVやEVなどエコカーを全面的に展開すると宣言。ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーは小型の戦略車を公開する。息を吹き返した米国勢が日本車メーカーが得意とするエコカーの燃費や性能で攻勢を強める」などと、日本の牙城に攻勢をかけることを強調した。
一方で、東京は、日本勢に焦点を当てて、「トヨタは高級車ブランド『レクサス』のスポーツクーペ、ホンダは05年に生産を打ち切ったスポーツカー『NSX』の後継モデルを出展、日本の『元気』をアピールする」としている。
読売も「リーマン・ショック後に出展を見送っていた日産自動車も4年ぶりに復帰する」と報じた。その記事の上にはカルロス・ゴーン社長のインタビューを掲載。2012年の世界の自動車需要について「過去最高を記録するだろう」と楽観的な見方を示したと伝えている。
日産は北米自動車ショー開幕直前に「資本提携している独ダイムラーの高級車のエンジンの一部を、2014年から米テネシー州にある日産のデカード工場で生産する」と発表。9日の朝刊で各紙が大きく取り上げた。絶好調の中国ばかりでなく北米市場でも「元気」をアピール。新年早々、巧みな広報戦略でも一歩リードした格好だ。