中東情勢の緊迫化で安定調達への懸念が強まる原油の確保について、高市首相は「日本には約8か月分の石油備蓄があり、放出量を抑えながらも、年を越えて石油の供給を確保できるめどがついた」と説明したそうだ。
きょうの各紙にも「石油年明けまで確保」との大見出しで報じているが、朝日の社説では「長期化を見据え、無理のない範囲での需要の抑制策に舵を切るべきだ」として「まず、ガソリン価格を抑えるための補助金は、段階的に縮小していく必要がある」と強調。
さらに社説では、首相は「経済活動にブレーキをかけないような形で、今すぐ節約して下さいと申し上げる用意はない」との心もとない発言にも言及。「現状認識を丁寧に説明し、節約や省エネなどの協力を求めるべきだ」と指摘する。
そして「1970年代の石油危機は、日本車の燃費向上を促すなど、社会全体でエネルギーの効率利用や省エネを考え、国際競争力を高めた。今回の検討も、中長期的な脱炭素の取り組みへとつなげたい」とも。
振り返ると、70年代の度重なる石油危機では、当時の通産省(現経産省)・工業技術院が「サンシャイン計画」や「ムーンライト計画」などと呼ばれた代替エネルギーを推進する大型プロジェクトをぶち上げていたが、今の高市政権では「あらゆる可能性を排除せず、臨機応変に対応していく」などとの認識を示すだけにとどめている。
危機感をあおるような発言を控える意図は理解できるが、一方で、総務省が発表した2月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は28万9391円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比1.8%減少。マイナスは3カ月連続で価格が上昇した食料の購入が控えられたのが大きな要因のようだが、「交通・通信」関連でも5.9%減。自動車購入の落ち込みが響いたようで、消費者による“節約志向”で自動車業界にもブレーキがかかりつつあるようだ。
2026年4月8日付
●石油年明けまで確保、首相、節約要請排除せず (読売・1面)
●次世代ナビアプリ注力 ゼンリン、通信で最新機能(読売・8面)
●景気動向指数、2カ月ぶり下落(読売・9面)
●スズキの挑戦、インドの開拓者(中)、SUV競争「一強」に逆風、バイクから小型車活路(読売・9面)
●鉄くず・プラ保管許可制へ、野外ヤード、騒音、火災相次ぎ (読売・25面)
●AI自動運転車公道へ、ホンダ「レベル4」めざし実証実験(朝日・6面)
●重り落ち足場崩落3人死亡、川崎・JFEスチール、クレーン解体現場 (毎日・19面)
●人類最も遠くに、54年ぶり有人月周回、宇宙船「オリオン」地球から40万6770キロ (産経・1面)
●予算熟議なく成立、首相の審議出席激減、過去最大122兆円 (東京・1面)
●主要資材、値上がり拡大、化学、上げ幅3割要請、4~6月、3分の2の品目で、日経調査 (日経・2面)
●三菱自CEOインタビュー、調達難でも「生産止まらず」中東以外から原材料(日経・10面)
●エヌビディアが壊す車の秩序、AI自動運転、10億台争奪へ(日経・15面)



