富士重工業は、12日に開幕した電気自動車開発技術展(EVEX)に、電動式塵芥収集車『フジマイティー・エレクトラ』を出品した。同車はゴミ収集、排出作業に関わる動作を電池とモーターで行うため、エンジンを停止することが可能で、CO2排出、騒音などを大幅に低減できる。
コストを抑えるため、電池は鉛電池を採用。8時間の充電で、一般的な塵芥収集車の1日あたりの稼働回数、4回の収集をおこなうことができる。万が一の作業中の電池切れを考慮し、エンジンによる駆動にも切り替えることができる「パラレル駆動方式」を採用した。走行はエンジンを使用する。
フジマイティー・エレクトラは2010年4月に発売。価格は、今回の展示車両で1100万円(車両本体込み)程度。同サイズの既存車両が700万円〜800万円のため、割高感は拭えない。これも影響してか、現在までの累計販売台数は5台程度だという。
開発に携わる、富士重工業エコテクノロジーカンパニー・販売促進部・販売支援課・商品企画G技術主任の大久保優介氏は、「どれだけ優れた技術を持っていても、実際にお客様に使って頂けなければ意味がない。コスト面ではさらなる努力が必要と捉えている。現在、自治体などに対し、導入促進を働きかけている」と語った。
EVEX会場では、電気自動車(EV)が並ぶ「EVセレクションコーナー」に展示された。小型EVや電動バイクなども多く展示された同コーナーでフジマイティー・エレクトラの存在感はひと際高い。「なぜここにゴミ収集車があるのか」と係員に問い合わせる来場者も多く見受けられた。