気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年5月18日付
●日産いわき工場通常体制に復旧(読売・8面)
●車持ち出しパンクが難題、警戒区域で予行演習(読売・35面)
●原発収束時期変えず、東電が工程表改定版(朝日・18面)
●米の自動車不振、大震災が影響(毎日・6面)
●東北の高速道、被災者全車種無料へ、一般利用者、中型車以上に限定(東京・2面)
●みずほ銀・コーポ銀合併、システム障害で体制刷新(日経・1面)
●ルネサス、能力毎月2割増、被災で減産の半導体、茨城の工場再稼働急ぐ、当面は代替生産拡大(日経・13面)
●スズキ・新日鉄、国内初、水素燃料電池のスクーター実験(日経・13面)
●全日空旅客数首位に、10年度、日航の統合後初めて(東京・7面)
●社説:米経済にガソリン高の試練(日経・2面)
●住友ゴム、ブラジルにタイヤ工場、280億円投資、中南米市場を開拓(日経・11面)
●変調中国市場、試練の日本車、部品不足「売る車ない」低価格車投入で巻き返し(日経・11面)
●中古車登録台数4月は9.8%減、被災地域では需要急増(日経・11面)
ひとくちコメント
「がんばっぺ!いわき」の幟(のぼり)を片手に300人余りの従業員とともに気勢を上げる日産自動車のカルロス・ゴーン社長。17日の昼休みの工場内の食堂はたちまち熱気に包まれた。
ゴーン社長が東日本大震災後に、被災したいわき工場(福島県いわき市)を視察するのはこの日で2度目。今回は多くの報道陣にも公開されたこともあって、きょうの各紙が「日産、いわき工場通常生産に」(朝日)などと報じいる。
ゴーン社長も「(最初に訪れた(3月29日の)時点では工場内は地盤沈下やひび割れが激しく、部品は床に転がり落ちて、天上から空調設備は落下、傾いた機械設備も多くあって、悲惨な状況だった」という。
それがわずか1か月余りで「震災にもめげず最短時間で工場を復活させるという約束をみなさんが守ってくれたことに、感動、感銘している」としながら「このいわき工場は、日産ばかりでなく、日本の震災復興のシンボル」などと、従業員をねぎらった。
感謝の意をあらわすオマケもついた。従来の「社長賞」とは別に、いわき工場の小沢伸宏工場長には「社長特別賞」が贈呈された。ちなみに、特別賞のトロフィは、エンジンの鋳造部品などをあしらった素材に、デザイン担当の中村史郎常務執行役員がプロデュースするという手の込んだ“逸品”。
日産の中で最も被害が大きかったいわき工場だが、度重なる余震で復旧作業は遅れたものの、震災から約2カ月で全面復旧にこぎつけた。被災地の復興や福島原発事故の収束が困難を極めている中で、ピンチに見舞われても、チャンスに変える“ゴーンマジック”を政府や東京電力も少しはお手本にする価値もあるだろう。