三菱自動車の益子修社長は27日、夏場の電力需要ピーク時の使用量平準化に向けた取り組みとして検討されている輪番休業や夏季休暇の分散化に慎重な姿勢を示した。益子社長は同日、都内の本社で決算会見を行った後、一部報道陣に対し語った。
益子社長は輪番休日について「精神的にはみんなで負担を背負っていくということでは意味があると思うが、ただ生産できるのにやらないということが、本当に良いのかという問題もある。できるところは思いきって生産をするという考え方もあるので、これは議論が必要だろう」と述べた。
日本自動車工業会は平準化の一環として東京電力および東北電力管内を対象に業界単位で休日を平日にずらしてとる輪番休日の導入を提案している。三菱自動車の工場はいずれも名古屋以西にあり、東京電力、東北電力の営業エリア外になる。
また夏季休暇の分散化について益子社長は「地方に行けば行くほどお盆とかそういうものを大切にしている生活習慣があり、そこを変えていくというのもなかなか心情としては難しいところもある。また自動車メーカーの場合、連休中にメンテナンスや、新たな設備対応ということを必ずやるので、これも計画的にやらないといけない。そう簡単に『良い』というものでもないと思っている」と考えを示した。