米国ホンダの子会社であるHPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)は25日、レース時給油中に起きる事故を防ぐための安全システム(リフューリング・セイフティー・インターロック・システム)を発表した。
「機材の不具合やヒューマンエラーによって給油ホースがマシンに接続されている状態でピットボックスから発進してしまう事象が起きている。そして、これらがピット火災の原因となりドライバー、ピットクルー、ピットレーン・エリアにいる人々の怪我に繋がる」と、HPDのテクニカル・ディレクターのロジャー・グリフィスは語る。
安全装置の開発に着手した直接の発端は2008年のALM(アメリカン・ルマン・シリーズ)での事故だ。その後、09年と10年のインディカーシリーズ(IRL)のシーズン中、練習走行やテストデーで実際のマシンを使って開発テストが繰り返され、実用に至ったとのことだ。
安全装置の仕組みは、給油口に設けられたセンサーがエンジン制御のECUとギアボックス制御のGCUに信号を送り、ピットで給油ホースが接続されている間はギアがニュートラルから1速に入らないというもの。
ホンダは安全上重要なシステムとして、インディカーシリーズに参戦している全てのチームに無償で提供。他のレースシリーズからも求めがあればシステムデザインを提供するとしている。
このシステムは今週末フロリダ州セントピーターズバーグで開幕戦を迎える11年のインディカーシリーズから参戦する全車両に装着される。