昔風に言えば“コークボトルライン”と呼べる前後フェンダー部も、『RS5』は『A5』よりさらに専用に拡幅されている。
試乗したのは広報車ということもありイメージ色の赤で存在感が“上乗せ”されていたが、渋めのダークグレー系などなら、よりさり気なく“違いのわかる通なドライバー”を気取れるのではないだろうか?
2ドアクーペの比較的日常的なスタイルながら、450ps/43.8kgmものパワーを絞り出す4.2リットルのV8を搭載、クワトロシステム+7速Sトロニックで武装しただけに、走りがとにかく凄い。
とくに山岳路で試すと、有無を言わさぬ動力性能に足まわりも完全に同期。コーナーを異次元のスピード域でクリアしてしまうのだった。「オート」を含め4モードの選択が可能なアウディドライブセレクトも有効だが、たとえ「コンフォート」でもヤワにならず「ダイナミック」でもスパルタン過ぎない完璧な設定なのも脱帽だ。
フロントシートのサポート性のよさは、ずっとここに座っていたくなるほど。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。