自動安全系に技術は賛否両論。頼ったらどうするんだ、という議論は尽きないけれど、でも昨今の状況、おぼれている人に泳ぎ方を教えましょうよというのは、あなた、それちょっとどうよ、と思うのである。
ふたつのカメラが目の代わり。安いうえにレーザーでは苦手な自転車の認識までできるのが、カメラのいいところである。ちなみに霧や大雨は厳しいと技術者は言っていたけれど、箱根の大雨&霧の日にクルーズコントロール機能にして、無灯火で走る黒いワンボックスを追いかけてみたけれど、かなりいい感じでキャッチしていた。これなら十分だろう。
アイサイト、最初は半信半疑で一般道に持ち込んだ。たしかに渋滞機能は「もう少し加速の反応がよければなあ」と思わないでもないけれど、2時間、3時間、一週間と乗ってみて、結論として感じるのは安心感が違う、ということだ。いざというときはクルマが警告し、さらには止まってくれるという安心感。じゃ、ドライバーは頼ってしまうのかといえばとんでもない。最終的なブレーキは、ほんっとにギリギリなところでかけるので、よほどの度胸がなければこれに頼ろうなんて気は起きないのだ。断言できる。
ブレーキ機能もさながら、私が評価したい(欲しい)のは、誤発進を制御する機能。いわゆるペダルの踏み間違い、もしくはセレクトレバーの間違いで、壁に向かって突進していくのをエンジンのパワーダウンしてくれるヤツ。いいなあ、これ。私が高齢者の仲間入りをするまでに、ぜひ、後ろ向きの制御も市販化していただきたいです。
■5つ星評価
オススメ度:★★★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。