気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年7月13日付
●三菱重工、太陽光発電商用化へ 世界初水使わず、豪と実証実験(読売・1面)
●日産工場、生産中断へ あすから3日間、半導体部品が不足(読売・2面)
●ブランド列伝:ワゴンR(スズキ)背高軽乗用車の元祖(読売・12面)
●首相、責任論封じ懸命、臨時国会30日召集(朝日・1面)
●英国生産車逆輸入へ、トヨタ、円高で検討、来年発売(朝日・12面)
●レアメタル再利用加速、金属各社、価格高騰、入手難にらみ(朝日・13面)
●ホンダ中国販売 2カ月連続減少、ストで工場停止影響(朝日・13面)
●トヨタのリコール再発防止策評価(産経・14面)
●マツダ殺傷、殺人容疑で男、再逮捕(産経・28面)
●1〜6月中古車販売、過去2番目の低水準(東京・6面)
●輸入関税 タイ、一部車部品免除、ハイブリッド車生産誘致(日経・11面)
●タイでエンジン生産、日野自、中型トラック用(日経・14面)
●豊田織機、電気自動車用充電スタンド、通信機能でデータ管理(日経・14面)
●一目均衡:電気自動車と参議院選挙(日経・17面)
ひとくちコメント
日産自動車が14日から3日間、追浜や栃木など国内4つの完成車工場で操業を停止するという。きょうの各紙が報じているが、影響は1万5000台程度に上る見通しで、北米など海外工場にも影響が及ぶ可能性があるとしている。
主力工場の一斉操業停止は一足早い夏休みではない。理由は、日立製作所から調達しているエンジン部品の入荷が遅れているためだそうだ。
日立から日産への納入が遅れているのは、エンジン内での燃料噴射の量やタイミングを調整する「エンジン制御ユニット(ECU)」という基幹部品。日立の子会社の日立オートモティブシステムズが生産している。日産は、国内と北米でECUの大半を日立から調達しており、7月2日に日立向けICの減産を通告され、納入が遅れ始めたという。
ECUは顧客の仕様に合わせて2〜3年の開発期間をかけて作り込むため、特定の半導体メーカーから全量を調達するのが一般的という。開発の早い段階から情報を開示し合うため、発注先を複数に広げにくいという事情があるからだ。
国内自動車大手では、ホンダと富士重工業も日立からECUを調達しているが、ホンダと富士重への影響は限定的という。
中国での従業員のストライキや地震などの災害による影響で工場が停止することがあるが、通常の状態で取引先からの基幹部品の調達が不足しての停止は異例である。
きょうは日産では新型『マーチ』の発表披露会が横浜の本社で開かれるが、今後の生産計画にも影響を及ぼす可能性もあることから、志賀俊之COOへの取材が殺到しそうだ。