フィアット・オートモビルズはこのほど、フランス・パリのシャンゼリゼに新ショールーム「モーター・ヴィラージュ」をオープンした。
「モーター・ヴィラージュ」はシャンゼリゼ大通りのショッピング街および公園緑地の境目にある「ロンポワン(ロータリー)シャンゼリゼ」に面している。隣接する薬局の緑十字看板が目印だ。
既存の建築物を活用したもので、館内のデザインは著名建築家ジャン-ミシェル・ヴィルモットが担当した。地上3階・地下2階で、高さ14mにわたるガラス製チューブの中に車両がディスプレイできるように作られている。
今後フィアット、アルファロメオ、ランチア、アバルト、マセラーティ、そしてジープの計6ブランドの展示スペースとして活用される。
3階部分には、イタリアン・レストランNoLita(Notrh of Little Italyの略)が設けられ、著名イタリア人シェフ・ヴィトッリオ・ベルトラメッリの料理が夜11時まで楽しめる。カフェテラスも用意されており、こちらでは朝8時から深夜2時までイタリアン・コーヒーを味わえる。さらに館内では、30分ごとにニーノ・ロータの映画サウンドトラックや、ジュゼッペ・ヴェルディによるオペラ作品のアリアを流すという。
シャンゼリゼにおけるイタリア系メーカーの過去を振り返ると、国営公社傘下時代のアルファロメオが1980年代、凱旋門近くの一等地にショールームを構えていた。しかし1986年にフィアットに吸収された後しばらくして閉鎖されてしまった。
いっぽう近年のフィアットは2006年、トリノのミラフィオーリ本社工場隣に直営ショールーム「モーターヴィレッジ」を落成し、昨09年にはフランス・カンヌにも同様のものをオープンするなど、大型ショールーム運営に積極的な姿勢をみせている。
現在シャンゼリゼ通りには、プジョー、メルセデス・ベンツ、トヨタ、ルノー、シトロエンがショールームを構えている。
今回オープンしたフィアット「モーター・ヴィラージュ」は、オークション・ハウス「クリスティーズ」パリ本社や高級画廊街に近いセレブ感覚溢れるエリアであるものの、他メーカーの既存ショールームと比べて凱旋門から最も遠い。
前述のような数々のイタリアンムードで、どこまでパリジャン&パリジェンヌ、そして観光客を惹きつけることができるか、今から興味深いところだ。