7月14日から16日までの3日間、パシフィコ横浜で「電気自動車開発技術展(EVEX)2010」、「クリーン発電&スマートグリッドフェア(CSF)2010」が開催される。幅広い分野から合計183社もの展示が行われるほか、セミナーを充実させ、次世代エネルギービジネスに関する情報交換の場を提供する。30日におこなわれた会見では、EVEX実行委員会委員長の大聖泰弘早稲田大学大学院教授、CSF実行委員会委員長の横山隆一早稲田大学大学院教授らが出席し、両展の特徴を紹介した。
EVEXは、次世代環境対応車の有力候補として期待されている電気自動車(EV)の技術開発と普及を目的とした展示会だ。CO2排出量による温暖化や資源枯渇の危機といった問題から、自動車は内燃機関から電気動力への転換が求められている。本格的な移行が開始されるには5〜10年はかかると見られているが、従来の自動車部品メーカーにとっては、自動車一台あたりの部品点数が半分にもなるといわれるEVへの移行には多くの課題を抱えることとなる。
こうした背景を受け、同展では自動車メーカーや部品サプライヤー、そしてEV事業への新規参入をめざす企業同士の交流を促進し、新たなビジネス創出を図るものとして開催される。
いっぽうCSFは、発電時にCO2を排出しない「クリーン発電」と、次世代送電網「スマートグリッド」に特化した展示会。太陽光・風力などを利用した再生可能エネルギー発電システムや、それらから生まれたクリーンなエネルギー(電力)と地域、家庭、自動車をつなぐネットワークの構築に必要なハードウェア、ソフトウェアに関する技術・製品が展示される。
再生可能エネルギーの効率化が高まることで、電力会社を中心とした従来の電力供給のしくみから、企業や、家庭レベルでの発電、送電にシフトしていくことが考えられる。これをつなぐネットワークがスマートグリッドであり、ここに生まれる様々なビジネスや製品を紹介することで、低炭素社会に向けた企業や自治体の取組みの認知促進を図る。
イベントでは両展共通企画として、「大容量バッテリー特設ゾーン」、「スマートコミュニティ特設ゾーン」を開設。EV、スマートグリッドの最重要構成要素ともいえるバッテリーを製品、素材、生産設備など様々な視点から紹介するとともに、現在すでにEVを活用したスマートグリッドを実践している国や自治体の取組みを紹介する。
セミナーが充実しているのも両展の特徴で、24セッション実施されるセミナーでは、EVEX実行委員長で早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科教授で内燃機関の効率化などを研究している大聖泰弘氏をはじめ、EVの将来やスマートグリッドを通じた知的財産戦略など多彩なセッションを開催する。これ以外にも特設ステージやセミナールームでは出展社らによるセミナーやプレゼンテーションを実施する。
さらに会場ではEVの実車展示、同乗体験会も実施する。日産『リーフ』、テスラ『ロードスター』、光岡『雷駆』、ゼロスポーツのEVなど全19台のEVや電動バイクが展示されるほか、三菱『i-MiEV』、スバル『プラグインステラ』、BMW『MINI E』は同乗走行が可能。会場内をEVが走り回り、次世代エコカーに見て触れて楽しむ事ができる。
入場料は両展共通で2000円。招待券持参者、ウェブでの事前登録者は無料となる。来場者は6万人を見込んでいる。
●会期:2010年7月14日〜16日
●時間:10時00分〜17時00分
●会場:パシフィコ横浜 展示ホール・アネックスホール
電気自動車開発技術展2010
URL:www.evex.jp
クリーン発電&スマートグリッドフェア2010
URL:www.cs-f.jp