昨年秋に1.4リットルエンジンを搭載して発売されたばかりの『ポロ』が、早くも搭載エンジンを1.2リットルのTSIに変更してきた。VWが進めるエンジンのダウンサイジングのひとつの到達点となるもので、1.2リットルのSOHCエンジンにシングルターボを装着するというシンプルなもの。エンジンルームを見ても余分なものがなく、スカスカといった感じのシンプルさだ。それでいて走らせるとしっかりと良く走る。77kW/175N・mの実力は、パワーは従来のモデルの1.6リットル並みだし、トルクは1.8リットルエンジン並みなのだから、ポロのボディに対しては余裕十分といった感じの走りが得られる。7速のDSGも良い。低速時にわずかなギクシャク感が残るものの、これも改良が進んで違和感が解消されてきた感じ。自動変速に任せていても良いし、積極的にレバーを操作して走りを楽しんでも良い。やや硬めの乗り味でしっかりした感じの足回りは、コーナーでの安定感に優れていて、いかにもドイツ車らしい雰囲気だ。10・15モード燃費はVW車として初めて20.0km/リットルを達成し、これまでの1.4リットルと違ってエコカー減税&補助金の適用を受けられる。価格はやや高くなったが、今まで以上に良く売れそうなモデルである。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★★松下宏|自動車評論家1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。